特派員記事 2013.08.31

素敵なお店と商品、そして女性アーティストです。
フェニーチェ劇場からほど近くの『Zacaria’s(ザカリアス)』小さな小さなお店がショップ兼工房。

店内に作業机と素材たちも一緒に収まります。
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アーティストはヴェネツィア生まれ、ヴェネツィア育ちのエレナ・ブッソリンElena Bussolinさん。
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彼女の主な作品はコラージュアートnotes

主にヴェネツィアを題材とした絵に、皮や布、ムラーノのガラスやモザイクを配したものです。
絵の題材となるものは、ヴェネツィアの歴史的建物や風景、そしてカーニヴァルのイメージ、仮面や衣装など。

性らしい繊細で可愛らしい、思わず笑顔になるようなふんわりとした画法。

笑顔の素敵な彼女のキャラクターがそのまま額に入って飾られているかのようです
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こちらはヴェネツィアの冬の風物詩、カーニヴァルの仮面や衣装を模した人物アート。

キラキラとするモザイクや、ムラーノのガラスの特徴でもあるムリーノと呼ばれるガラスの素材をはめこんだもので、絵の質感とコラージュされたそれぞれの素材がさり気なくもあり、またポイントとなる存在感もあり。(写真では作品の質感が出せなかったのが残念ですが…)
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それぞれの絵に組み合わされた額縁もこれまた素敵。
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これらももちろん、全てが彼女のオリジナル。

ひとつひとつがハンドメイドですscissors

シンプルな木製だったり彫りの入ったものなどもありますが、モザイクで仕上げたものはとっても美しく、絵も非常に映えます。

絵と額の組み合わせはもちろん自由に変えられます。

現在同店にセットで飾られているもののお値段は大きさや額により30ユーロから200ユーロ弱くらいのものまで。

ほぼ額によって値段が変わるため、彼女の手造りのものでない既成のものだとさらにぐんとお値段が下がりますが、この額縁とぜひ合わせたくなりますね。

その他、カード類5ユーロ、手帳は大きさ別に3種(5-7-10ユーロ)など。

カードもひとつひとつコラージュの仕立てなので、これを額に合わせるお客様もいるとか。
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また、コラージュ製品でないものでは、ガラスを使った小物類も。

ピアス類(値段各種)、
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キーホルダー各種は5ユーロ。
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美しく色あざやかに並んでいるブックマークは5ユーロ。おみやげ使いにもよさそうですね。
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場所はフェニーチェ劇場の正面に向かって右側の路地を入ってすぐです。
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オリジナル商品はこの『Zacaria’s』マークを目印に。エレナさんに尋ねてみてください
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Zacaria’s
Calle della Fenice-S.Marco 1920, Venezia
Tel&Fax; +39.041.5211329

記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック

特派員記事 2013.08.03

ヴェネツィアの湾に流れ込む川のひとつであるブレンタ川。トレント周辺を水源とし、山地から平地、そしてヴェネツィアを通ってアドリア海へと流れ込みます。

ヴェネツィアの本島を町の中心として発達してきたヴェネツィア共和国時代、貴族たちは避暑を求めるために郊外へ別荘などを建築しました。特にヴェネツィアからパドヴァを結ぶこの川の流れの周囲には、特に水のほとりの景観の美しさ好まれていたこともあり、財力を持った貴族たちによって次々と邸宅の建築が進められた地域でもあります。


毎年夏季限定(3月~10月間)にて、これらの邸宅を訪問しながらの専用クルーズ『イル・ブルキエッロ』が催行されており、中型クルーズにて一日をゆったりとすごす素敵なツアーを楽しむことができます。


サンマルコ湾を朝9時ごろに出発、ラグーナをどんどんと進み、内陸へと。瞬く間に周囲の光景は変わり、河の周囲は緑の広がるのどかな田舎の雰囲気。
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川をどんどんと進むと、周囲には徐々に中世の時代の貴族の邸宅が見え始めてきます。
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当時はもちろん水の流れが主要交通網でしたので、建物の正面はもちろん川側をむいています。現在の車の通る道路側は裏側となる造りとなります。

そして、その時代、最も活躍した有名建築家、アンドレア・パッラーディオの手がけた邸宅のひとつがカ・フォスカリ(マルコンテンタ)です。
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同建築家は当時、大変に人気の建築家ですので、彼に委ねて美しい邸宅を川面に、というのが貴族の間では一種のステイタスともされていました。川面に映る建物の美しさまでもが計算されて設計された建物は、避暑用としてだけではなく、陸地のヴェネツィアとして、農作物の生産も盛んに行われていました。ヴェネツィアを中心とするこれらの建築群の特徴としても、貴族の住居&農業施設という構成、機能性にに美を加えた、建築デザインがされていたものでもあります。


同ツアー中は数々の邸宅を眺めたり、実際に訪れたりしながら進んでいきますが、美しい中世の邸宅を見るだけではなく、それに加えて興味深いのは、中世の時代のヴェネツィア人の水に対する技術です。川の水流を調整して船による交通の流れを円滑にし、また平野を流れる川の流れを変えて穏やかな流れを造り豊かな土地を創造するという、ヴェネツィア人の水を操る技術を垣間見られることなのです。


行程中は5か所の水門を通ります。ヴェネツィア~パドヴァ間にある海抜差から拠点に水門を仕掛け、穏やかに船を移動させる技術です。

上流側が閉まっている水門に入り、船が止まると後側にあたる下流側の門が閉まり、船は門に囲まれます。ここに水が流れ込み、水面の高さが上がると同時に船が持ちあげられ、同位になったところで進行方向、上流側の門が開きます。水位がどんどんと高くなる状況を見ながら、水門の仕組みを知ることができます。
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また、川を挟む対岸間を渡る橋も、船が通過する際には、道路を走る車は気長に待つしかなく、その車の長い列を横眼にしながら橋の開閉の様子を見ることも。現在も船の通過ごとに人の手で開閉作業が行われている箇所も残ります。
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さらには、平野をくねくねと流れる氾濫川を水流の量を調節しながら穏やかな流れに分散させるために主流をいくつかの派流に変えてきたヴェネツィア人の偉大な仕事ぶりなどを感じるなど、現在にも通じる当時の技術力の高さに感動を覚えるものでもあります。
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同ツアー『イル・ブルキエッロ』は、13世紀から同名にてブレンタ川の川上り(川下り)として、現在まで脈々とその伝統を引き継いでいる、という歴史のあるもの。当時は陸地に馬を走らせ、貴族用に装飾された豪華な船を縄でつないでひっぱっていった、というのも興味深い話です。

歴史に残るプレイボーイとして名高い詩人のカサノヴァ、パドヴァ大学にて教鞭をとりながらヴェネツィアへの往来の手段として常用していたとされるガリレオ・ガリレイ、ゲーテや劇作家であるゴルドーニなど、名だる歴史上の著名人にも慕われたこのクルーズツアー、体験される価値の非常に高いものです。


3月から10月(2013年は328日から113日まで)の間、月曜日を除く毎日運航の一日クルーズです。曜日によってヴェネツィアまたはパドヴァを出発点とします。(ヴェネツィア発便/火・木・土曜日、パドヴァ発便/水・金・日曜日、ルートは同様ですので、出発地により川を上る、または下るという経路を辿ります)
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ツアーには専用ガイド(伊・英・仏・独語)が乗船しており、終日詳しい解説を聞くことができます。


美味しい昼食も楽しめます。(追加料金にて)
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Il Bruchiello

http://www.ilburchiello.it/


記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック

特派員記事 2013.07.14

トルチェッロ島はヴェネツィア本島の北西側に位置します。
本島からはフォンダメンテ・ノーヴェからヴァポレット(水上バス)に乗りship、ブラーノ島で乗り換え、ブラーノ島ヵら10分弱で到着します。ちょっとした船旅気分にて本島からの船旅、乗り換えも含め約1時間弱ほどでしょうか。



ヴァポレットを降りて島の中心に向かう一本道をのんびりと歩きますrun


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ヴェネツィアを覆うラグーナ(潟)に浮かぶ島々は、古くローマ時代には人が生息していたとされ、そのうちのひとつトルチェッロにも4-5世紀には住人がいたと言われていますcoldsweats02
5世紀後期には、騎馬民族であるフン族の襲来を逃れるため、陸地から非難してきた人々が実際に言われる同島の住民の起源といわれており、ヴェネツィアの町の形成の起源とされています。それらの人々は、アルティーノ(ローマ時代に交通の要所として栄えていた、ヴェネツィアの北側に位置する内陸の町)からの逃避人でした。


さらに7世紀に入り、北欧由来のロンゴバルド族の襲撃を避けるべく、アルティーノの司教の聖遺物がここに運ばれ、司教座としてサンタ・マリア・アッスンタ聖堂建築が始まります。


その頃には土地の開拓も進み、農作物の栽培、商業活動も盛んになり、最盛期には島の住民の数も2万人までにもなりました。ヴェネツィアの重要な役人たちの居住地などに指定され、そして、商人の町として確実に変化しつつあるヴェネツィアの玄関口として、貿易の拠点となり、島は発展しますup


しかし、15世紀以降に蔓延したペストの大流行により、島での商業活動も中止され住民の離島により島は孤立、衰退を始め、それまでの精彩は影を潜めますdown

その後世紀を重ね、マラリアの蔓延などもあり、さらに住民も減少するなどし、現在ではヴェネツィアの一離島となっています。


島の見所としては、前述の7世紀が起源のサンタ・マリア・アッスンタ聖堂

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9世紀、11世紀に大改修が行われ、現在見られる姿のほとんどは11世紀のものです。聖堂内のモザイクは圧巻で、見る価値の非常に高いもの。床の細かなモザイクは約10種の色大理石で幾何学模様が描かれた大変に見事なものですheart04

壁装飾としては、正面祭壇の金モザイクを背景とした聖母子像と12使途には非常に多くの称賛を受けています。また、祭壇と向き合う形となっている大聖堂主扉(通常は閉まっています)上の大作である「最後の審判」など、一度は訪れるべき、見るべきものだといえるでしょう。


回廊も静けさのある美しさ。聖堂前にある円形状となっている石積みは、7世紀の礼拝堂の遺構。

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大聖堂の右手、ヴァポレットの停船場から広場まで出て、大聖堂よりも始めに見える教会が、サンタ・フォスカ教会
11-12世紀のものです。

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その正面には、大理石の椅子。
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騎馬民族であるフン族の王であるアッティラが実際にここに座ったのかどうかは不明ですが、これは“アッティラの玉座”として有名なものです。


この広場に到着するまでには何軒かのレストランもありますので、ヴェネツィア本島とは少々趣の異なる、静かな島巡りのひとつとして、昼食がてらに訪れることもお勧めします。


そのうちの一店、こちらは

『オステリア・アル・ポンテ・デル・ディアヴォロOsteria al Ponte del Diavolo』。

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ヴェネツィアらしく魚介を使ったメニューを中心に、非常にゆったりとしたスペースでゆっくりと食事が楽しめます。

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店名に冠されているポンテ・アル・ディアヴォロとはディアヴォロ(悪魔)橋。同島に架かる橋の前にあることから。橋が目印でもあります。

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ちなみにこの形の橋は、現在ヴェネツィアに数多くある橋の原型とも言われており、ゆるいカーブと段差、そして欄干がないのが特徴。その昔は本島の橋もこのような形が主流でした。馬が通るためにはこのようなゆるやかな段差である必要があったからでしょうか。



ヴェネツィアご訪問にぜひ一日余裕を持たせ、ヴェネツィアの島巡り、お勧めです。


記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック



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