ヴェネツィアの見所のひとつにリアルト橋下のメルカート(市場)があります。特に赤いひさしの魚市場はヴェネツィアならではの活気ある場所。
日・月曜日を除く毎朝、新鮮で豊富なアドリア海の魚介を目にすることができます!
このメルカートと隣合わせのようにして位置するレストランがここ、『Antica Trattoria Poste Vecie(アンティーカ・トラットリア・ポステ・ヴェーチエ』です
リアルト橋付近はヴェネツィアの本島のなかでも最も古い場所、ヴェネツィア共和国時代にも商業・金融の中心地として栄えた場所です。同レストランはその当時から、1500年代からここに今のままの姿で存在していました。ただし、その当時はレストランではなく、郵便局としてあったとされています。
手紙の仕分け作業などの後、外ではワインを片手に休憩…というようなものが同店の前衛だったとか。
1700年代に入り、本格的にオステリアとして業態変更したのが、現在の同店としての始まり。ヴェネツィアのなかでも最も古いといえる、老舗中の老舗として地元の人々に大変に親しまれている店です。
現在の店内の内装は当時とほぼ変わらぬ状態にありますが、古い郵便物などが壁に飾られてあり、昔の姿を思い起こさせてもくれます。
そして、客席のある部屋にはたくさんの絵が飾られており、アンティークな雰囲気が漂います。こちらは’800-‘900年代に同店に通ったヴェネツィアの有力人たち。芸術家、思想家、随筆家、そして政治家などの面々が描かれています。
店は古い歴史がありますが、料理は非常に繊細で軽やか、旬の素材と新鮮な魚介料理が並ぶメニュー内容は非常に魅力的です。
ヴェネツィアならではの地元料理と季節の素材を使った皿の数々。
こちらは店の名前を冠した、スパゲティ・アル・ヴェーチエ。トマトソースをベースにした、アサリ、ムール、スカンピ、白身魚などの魚介がたっぷり入ったスパゲティです。
イカスミを練り込んだタリアテッレとカニのほぐし身を和えた一皿。
アスパラの季節に訪れたので、この時期にはアスパラのラヴィオリ!
そして、アンティパストとして、ヴェネツィア名物のバッカラ・マンテカート。
戻した干タラをペースト状にした土地料理です。軽く食事を済ませるときなどには、セコンドとして頼んでもよいと思います。
デザートには、これもヴェネツィアの定番、ティラミス。ほろ苦いココアのたっぷりかかった大人の味。
同店を守っているのは、代々続く同店オーナー家族のお一人、ディエゴ・ドルフェオDiego D’Orfeoさん。現在は彼とお兄さんとの兄弟を中心に店を守ります。
歴史のある建物と場所、そして店のストーリー。古さを感じさせることなく伝統的地元料理を大切にしながら、オーナーであるディエゴ氏とともにサービスにたつスタッフの動きも心地よく、居心地のいいレストランです
Antica Trattoria Poste Vecie
Rialto-Pescheria, Venezia
Tel;+39.041.721822
定休日:火曜日
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック