1880年代、ロスアンゼルスとラスベガスのちょうど中間に銀が発掘され鉱山と町として生まれたカリフォルニア州、キャリコ町。銀の採掘が最も絶頂期を迎えた1887年当時、町はみるみるうちに大きくなり人口がわずか5年余りで3000人以上も増えていった
"CALICO"の文字が場所の目印。町はこのふもとに。
銀の採掘によって栄えていったこのキャリコの町は、勿論鉱物の採掘がメインの産業ではあるが、人口が増えていくにつれ家族も増えていき鉱山採掘だけではなくそれに伴い、学校の先生や保安官、医者、牧師、弁護士、政府機関などの職業が多彩に増え始め、鉱山町を支えていく上で大きな機能を成していった。それに平行して、ギャンブル場等の娯楽施設やレストラン、バー等の飲食店も急増していった。
当時のキャリコ小学校校舎。
高価な銀がどんどん採掘され1885年から1900年にかけて銀の売上高が100万ドルを超え、キャリコの鉱石産業の絶頂期を味わうが、20世紀に入り銀の価値がじょじょに下がっていき、キャリコの町は”ゴーストタウン化”していき、一時3500人までに膨れ上がった人口は突如一ケタ台までに急減。1907年には、町としての存在機能を失った。これにより”キャリコ・ゴーストタウン”という呼び名がついた。
当時存在していた、キャリコホテル。今では、アートギャラリーとして観光客の目を引いている。
こんにちでは、人口がわずか8人。しかしゴーストタウンと思いきや、鉱山の観光名所として町が披露されている。カリフォルニア州のサン・バーナディノ郡の運営で成り立っているキャリコは当時の建物も残りつつ、近代復元されたものもある。
町全体の風景。辺りは砂漠で "Middle of no where"の言葉どおり。。。
一つの観光名所なので町中にはギフトショップや雑貨店、プリントショップ、岩石店、皮製品店、ガラスビン店、1890時代店等の店が立ち並び、当時の面影を残すキャリコハウスレストランやリルの酒場、カフェ、アイスクリームパーラー等の飲食店も充実している。
キャリコハウスレストラン。その隣は、旧ファイヤーステーション。
バーガーハウス、アイスクリームパーラーのオールドマイナーズカフェ。
また当時の鉱山の採掘姿をイメージされたい方はマギーの鉱山ツァーや電車ライドを勧める。地元の人々や郡の公園施設課に勤める関係者による分かりやすいガイディングにより、当時の人々の生活習慣を感じ取れることもできる。生憎、現在では日本語によるガイディングはないが、日本を含むアジアの訪問客も増えてきていることから、近い将来、英語以外のガイディングも出てくるとの事。
電車ライド。観光地に生まれ変わり、鉱山の紹介等、ツァー目的で最近レールが敷かれ、採掘時代には存在していなかった。
キャリコ・ゴーストタウン、場所はロスアンゼルスとラスベガスの調度中間点、それぞれの都市から片道145マイル、約2時間半の車の旅である。クリスマスを除き、年中無休、朝9時から夕方5時までの営業。入場料は6ドル。当時の町並みをじっくり満喫して下さい!