今日は、スペイン北西部に位置するガリシア地方の首都、サンティアゴ・デ・コンポステーラのご紹介です。
サンティアゴ・デ・コンポステーラといえば、世界3大聖地のひとつとして有名です。サンティアゴとは12使徒のひとり聖ヤコブのスペイン語名。伝説によると、聖ヤコブはスペインで7年間布教活動を行った後、エルサレムに戻り殉教しました。その後、弟子たちが聖ヤコブの遺骸をスペインへ運び埋葬したそうですが、その後のイスラム教徒のイベリア半島侵入で、遺骸の所在は行方知らずになってしまいました。しかしながら9世紀、羊飼いにより聖ヤコブの墓が発見されます。そしてその場所に小さな教会が建てられました。こうして、サンティアゴ・デ・コンポステーラの聖地は生まれたのです。
その後、多くの信者がこの地を目指し巡礼にやってくるようになりました。こうしてできあがった巡礼の道はいくつかありますが、フランスのピレネー山脈を超え、スペイン北部を東から西へ横断するルートが有名です。中世から続く巡礼路を今でも多くの巡礼者が、徒歩で自転車で、あるいは車でサンティアゴを目指します。
ホタテ貝の首飾りをし、ひょうたんのついた杖をついた巡礼者を多く見かけました。
毎年7月25日が聖ヤコブの日で、サンティアゴ・デ・コンポステーラでは祝日となるのですが、今年2010年は聖ヤコブの日が日曜日にあたる特別な年。カテドラルにある普段は閉められている「免罪の門(聖なる門)」と呼ばれる門が解放されるなどし、通常よりも多くの巡礼者がサンティアゴを訪れます。
地元新聞の統計では2010年1月から7月までに訪れた巡礼者は、すでに12万人を越えたそうです。聖ヤコブの日、7月25日も人口7万7千人のこじんまりとしたサンティアゴが人でにぎわいました。
こちらは巡礼最終目的地であるカテドラル。
サンティアゴ・デ・コンポステーラのシンボルです。
聖ヤコブの日の前夜には、カテドラル付近で花火が上げられました。
カテドラルのファザードにはイルミネーションが映し出されたそうです。
残念ながら私たちは遠目からしか花火を見ることができませんでしたが(イルミネーションが見えるカテドラル前オブラデイロ広場は、3時間前にはすでに満員になってしまいました。)、マドリッドでは味わえない北の新鮮な夜風を受けながら、ガリシアっ子に混じってみる花火は、思い出に残ります。
※花火は、聖年に限らず毎年打ち上げられるそうです。
聖ヤコブの日は、早起きをしてカテドラルを目指します。
午前10時から始まるミサに入れば、有名なボタフメイロ(Botafumeiro)と呼ばれるロープに吊り下げられた大香炉が大聖堂内を振り子のように往来する行事を見れるかもしれないからです。
ミサの前には、宗教行列がありました。
そして、この日はスペイン国王夫妻もいらっしゃいました。
フアン・カルロス王とソフィア王妃が、ミサに参加するため静粛に栄光の門(Portico de la Gloria)からカテドラルへ入っていきます。
午前10時からのミサには一般人は参加できませんでした。
12時半まで待ち、2回目のミサに参加です。
しかしながら、このミサではボタフメイロはありませんでした。残念!
ボタフメイロの行事は、不定期。一般的にミサの後に行われるそうですが、係りの人や修道士に聞いてもいつあるか分からないそう。見れただけでご利益があがりそうな運の行事!?
はじめて参加するミサでしたが、異なる宗教・文化を体験でき勉強になりました。
中央祭壇には聖ヤコブが祀られています。
そして、サンティアゴ・デ・コンポステーラに来たなら、5つ星パラドール
Hostal do Reis Católicosもおすすめです。
5つ星パラドールは、ここサンティアゴ・デ・コンポステーラとレオンのふたつのみ!
かつて王立病院だった建物を改装したこのパラドールは、全室136室と壮大。
石造りのどっしりとした建物は、日本では味わえない趣きです。
また、歩くとみしっとなる木製の廊下や、建物内にあるパティオやチャペルがその歴史を想わせ、モダンなホテルとは異なる面白みがあります。
ホテル内にあるレストランは、宿泊者でなくても利用できます。
私たちは昼食をご馳走になりました。
こちらは前菜。
鶏肉とりんごのコンポート添え。
上品な味です。
貝の貝殻付ソテー。
日本では見たことがなかった貝。ホタテをもっとプリっとした味です。
ウニ入りクリームコロッケと野菜の天ぷら。
口にコロっと転がるほのかに味わえるウニのコロッケ。
メイン皿。
牛肉、豚肉、鶏肉のソテー。
どの種類のお肉も焼き方はレアなのに、少しも血なまぐさくなく、切れば中はピンク色のお肉は、やさしい味わい。
新鮮な肉と、料理を知っているコックさんが自慢だからこそ出せる一品です。
こちらはホタテ貝とベーコン仕立てソース和え。
大きなホタテだから、濃厚なソースとぴったり合います。
ガリシアには、地ビールがあります。
その名も、Estrella Galicia(エストレージャ・ガリシア)、ガリシアン・スター!
ビターなビールです。おいしい!
デザートは、サンティアゴ有名菓子、サンティアゴケーキ(Tarta de Santiago)をいただきました。
アーモンドで作ったケーキは甘くてどっしりしています。
その他、サンティアゴ旧市街にはたくさんのバルやレストランがあります。
ガリシアは海と山をもち、食に恵まれた地方です。
この時期、夏にはテラスで有名なガリシア風タコ料理をつまみながら、ガリシア南方産リベラ(Ribera)の白ワインを楽しむのもいいでしょう。
もしくは、ガリシア広場近くにある雰囲気たっぷりのDerby Cafeでお茶をしながら、地元民が話すガリシア語にひたるのもいいかもしれません。
週末があれば十分楽しめるサンティアゴ・デ・コンポステーラ。
マドリッドからの行き方は、車、バス、電車もしくは飛行機があげられます。
目覚めればそこは北国!夜行列車で、寝ている間に移動してしまうのもいいですし、飛行機だと1時間ほどで到着。空から、サンティアゴに近づくにつれ、どんどん深くなる緑を楽しむのもいいでしょう。
HISマドリッド支店では、マドリッドからサンティアゴ・デ・コンポステーラへのショートトリップ・プランを企画中です。
日本ではまだ注目されていないスペイン北地方ですが、見どころ&食べどころたっぷりです。スペインのもうひとつの顔を発見してみてはいかがでしょうか。
そして!
マドリッドでもおいしいガリシア地方料理が食べられるレストランがあります。
その名もレストラン・コンポステーラ。
HISマドリッド支店では、ミールクーポンをご用意しております。
詳細は、HISマドリッド支店ウェブサイトのミールクーポンページ
をご覧ください。