美術館 2007.03.15

いよいよ3月20日から東京国立博物館「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像」展開催。notes
この展示の目玉であるレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」が3月14日に無事に日本に到着し博物館に搬入されたそうですね。

周知の通り、この若きレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作といわれる「受胎告知」はフィレンツェ・ウフィツィ美術館 に所蔵される作品。
イタリア国外に貸し出された美術品の中でも最重要クラスcoldsweats02に分類される作品です。

3月12日(ウフィツィ休館日)の朝8時45分から始まった取り外し&梱包&搬出作業。イタリア国内ではこの作品の貸し出し自体に賛否両論あり、フィレンツェではかなり論議を醸しましたが、とりあえず、厳重に梱包され特製ケースに収められて厳重な警備に守られて大事に大事に運ばれていきました。
この搬送には100,000,000ユーロの保険がかけられていたのですcoldsweats02。日本円にすると約1600億円。保険料は誰が負担したのでしょう?ウフィツィ美術館?東京国立博物館?

3月20日から6月17日まで開催される「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像」展。
以前のモナリザ来日のときと同じように、かなりの混雑が予想されますが、是非この機会に20歳の天才が描いた均整の取れたshine美しい作品を堪能して下さい。heart04

「受胎告知」にまつわる話
まだ少女の面影を残すマリアが聖霊によって懐妊するシーンは中世からその後の時代まで好んで描かれた宗教絵画のテーマのひとつ。
「受胎告知」というこのテーマはキリスト教にとっては欠かせない重要なポイントです。
また天井と地上を結ぶというコンセプトがルネッサンス時期の思想にマッチしたこともあり、フィレンツェを中心にルネッサンス期に活躍した画家たちによってたくさん描かれています。

大天使ガブリエルがマリアのもとに現れ「あなたは神の子を身篭りました。生まれ来るその子をイエスと名づけなさい。」と告げたのは3月25日の夜明けごろとされています。
宗教絵画の中では閉鎖された空間(壁に囲まれた庭や部屋の中)に、左手から大天使ガブリエル、右手にマリアという構図で描かれることが多く、空からの光条や聖霊のハトが描かれて、聖霊により懐妊を示したりすることもあります。
マリアはお告げの時には読書もしくは糸紡ぎをしていたと伝えられていて、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」のように書見台に本が置かれたり、足元に本や糸紬の道具が置かれていたりします。
また純潔の象徴である白ユリの花が描かれることが多く、大天使ガブリエルが手に持ってマリアに差し出しているのが一般的です。
フィレンツェのウフィツィ美術館所蔵のシエナ派画家シモーネ・マルティーニ「受胎告知」では大天使はオリーブの枝を持っているのが特徴。当時フィレンツェとシエナはあまり仲がよくなかったため、シエナ派のマルティーニはフィレンツェの象徴でもあるユリの花をどうしても描きたくなかったからだという逸話が伝えられています。

フィレンツェにはフラ・アンジェリコの繊細な色彩の天使の羽が印象的な作品(サン・マルコ美術館蔵)やシモーネ・マルティーニの祭壇画(ウフィツィ美術館蔵)をはじめアレッサンドロ・アッローリ(アカデミア美術館蔵)、ボッティチェッリ(ピッティ宮パラティーナ美術館蔵)、フィリッポ・リッピ(サン・ロレンツォ教会蔵)など「受胎告知」を描く作品がいくつも残っています。
神秘的なシーンを描きとった「受胎告知」の美術作品を巡るのも一味違うフィレンツェの楽しみ方としてオススメですgood

これからの季節、長蛇の列ができる「ウフィツィ美術館 」や「アカデミア美術館 」をはじめ各種美術館の予約手配 を承ります。お気軽にお問い合わせ下さい。

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