ヴェネツィアに来たら、やはり食の楽しみは近海ものの海の幸。
今回はヴェネツィアの地元の人々の利用する魚市場をご紹介します。
観光で訪れる際はなかなか鮮魚を買って料理するということまではできないものの、新鮮な魚が並ぶ活気溢れるこの現場を体感するのも旅のひとつの楽しさです。
お時間に余裕のある方は是非足を運んでみてください。 リアルト橋にほど近い岸辺を歩くと、魚市場はすぐに目に入ります。
建物の下部のくぐりがアーチ型になっており、赤いひさしが目立ちます。
並ぶ魚介は、アサリ、ムール、ホタテなどの貝類から、イカ、タコ、カニ、イワシ、小イワシ、マグロ、ヒラメ、スズキ、クロダイ、シャコ、エビ、サーモンetc。
日本でも見かけるものから珍しいものまで、棚にわんさかと並べられています。
大物は冷凍ものもありますが、貝類やイカ、タコなどの小・中魚類は近海で獲れた新鮮なものばかりです。
ガイドブックなどを見るとよく見かけるヴェネツィアの代表的な魚介料理、「Fritto misto/フリット・ミスト(ミックスの魚介のフライ)」にはヤリイカやエビ、シタビラメ、カネステレッリといわれるホタテの縮小版みたいな貝が、「Nero di Seppia/ネーロ・ディ・セピア(イカスミ)」のスパゲティやリゾットには大きなモンゴウイカが墨に覆われて真っ黒になったものが、「Griata mista/グリアータ・ミスタ(魚介のグリル)」にはスカンピ、スズキ、クロダイ、小イカなどがよく使われています。
レストランで食事をする際にはこの市場を覗いておくと予習ができて良いかもしれません。
ただし、ヴェネツィアは特に夏などのハイシーズンとなるとレストランの横暴な態度に閉口してしまうこともしばしばありますので、内容と価格、そして他のお客さんの食べているものをよく観察してから注文するようにしましょう。
イタリア人でさえ、失敗して悔しい思いをすることもあるくらいですから・・・。
魚類の値段も市場では、比較的安価(比較的とあえていうのは、肉類に比べ、新鮮な魚貝類は高めにつくことから)に購入可能。
市場を離れると値段は格段にはねあがりますから、魚の値段を見てから他の場所へ移動して見比べてみるのもおもしろいです。
私もこの日は小イワシ(Alici/アリーチ)を昼食のフリット用とマリネ用に購入しましたが、その後もう少しひと気の多い通りの魚屋の店先では1kgあたりの値段が1ユーロ以上にもなっていました。
この魚市場の正面には野菜・果物の市場もあります。色鮮やかな季節の野菜や果物がところ狭しと並べられ、迫力があります。
今の季節はカボチャやホウレンソウ、チーマ・ディ・ラパ、コステといったイタリアならではの冬野菜たちが多く見られます。
イタリアは日本に比べ、まだまだ野菜や果物の旬が残っているもの。
市場を除くと季節の移り変わりも見てとれます。
魚はなかなか試しに買うわけにはいかない旅の途中でも、果物ぐらいならぜひ味わってみる価値は十分にあり!!
野菜や果物は味が濃くて力強さを感じます。全てが量り売りなので、少量でも購入可能。
市場は平日の午前中(月曜日はお休み)、お昼すぎくらいまで開かれています。