特派員記事 2007.12.12

毎年アルベロベッロで12月下旬から1月初旬に行われるイベント「プレセーペ・ヴィヴェンテ」を紹介します。

この街のイベントの中でも私が最も気に入っているものでheart04、この時期にアルベロベッロを訪れる方には必ず見て欲しいと思っています。

イベントの紹介の前に、皆さんは「プレセーペ」(presepe)をご存知でしょうか?
これは、カトリック世界のクリスマスには欠かせない「キリストの降誕」を再現した模型で、クリスマスシーズンに入ると、駅のコンコースや教会、街角、店のショーウインドウなどにお目見えします。
クリスマスツリーと同様に各家庭でも飾られて、イタリアの(特に南イタリア)のこの時期の風物詩となっています。xmas
プレセーペは、ジュエリーケースに収まるほど小さくまとめられた物から、降誕シーンのみならず、隣近所の様子や、街全体の様子などを事細かく描写し、巨大なジオラマ仕立てにした物、更には、人物や背景がほぼ原寸大で作られているものまで様々です。
「生まれたてのキリスト」「聖母マリア」「聖ジュゼッペ」の3体の模型がプレセーペには欠かせないものですが、更に雄牛、ロバ、そして、流れ星や天使などを加えてそれぞれがプレセーペを飾っていきます。


アルベロベッロ・プレセピオ 一般的に、キリストの降誕シーンは小さな洞窟の中に設定されていますが、時には馬小屋だったり、アルベロベッロでは土地柄を表して時にはトゥルッリの中だったりと作り手によって様々なバリエーションが楽しめます。
そして、誕生シーンを更に盛り上げるために、周辺の演出にまでこだわっていくのです。
羊飼いと羊の群れ、近くを流れる小川、釣り人、水車、山小屋、井戸、樹木、岩、積上げられた薪や麦藁、草花など。大道具から小道具まであらゆるものを飾付けプレセーペが完成していきます。

プレセーペ作りの材料は、クリスマスツリーの飾りxmasbellと同様に、雑貨店などで売っていますが、時には手作りをしたり、個性的なプレセーペにこだわる事もあります。

アルベロベッロプレセピオ手つくり 私も2年前友人と一緒にプレセーペを作りましたが、かなり個性的なものが出来上がりました。
琥珀色のガラスのお皿の上に、トゥルッリ型のパスタで洞窟を作り、その中でキリストが産声を上げています。洞窟の周りは、木の小枝や、綿で飾り、小麦粉を振りかけて雪を演出しました。下から当てたライトが、キリストの姿を神々しく照らし、降誕シーンを盛り上げています。(写真:手作りプレセーペ)

通常、プレセーペの主役「生まれたてのキリスト」は、クリスマスイブまでは白い布などで覆われています。
これはまだ、キリストが誕生していない事を意味します。そして25日午前零時になると、キリストを覆っている布が取り去られてキリストの誕生となる訳です。

キリスト教の信者達にとっては、この日はまさに「我が神」キリストの神聖なる誕生日なのです。
日本では、11月に入ると「早くもクリスマスツリーがお目見え」なんてニュースも出てきますが、イタリアでは聖母マリアが受胎告知を受けた12月8日からが本格的なxmasクリスマスシーズンの幕開けです。
ツリーやプレセーペ、イルミネーションなどのクリスマスの飾付けは、この日(12月8日)に間に合うように始められるのですが、最近では気の早い人が多く、アルベロベッロでも12月を待たずに、街のあちこちでサンタクロースや、イルミネーションが目に付き始めました。

長くなりそうなのでイベント「プレセーペ・ヴィヴェンテ」は次回ご紹介!notes

記事・写真提供:特派員野口さん

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