12月25日に生誕したキリストの元へ東方三博士が礼拝にやってくるのが1月6日で、この日はカトリック教界では公現祭(エピファニア)となり祝日です。 このエピファニアの前の夜にやってくるといわれる魔女のような老婆がベファーナです。サンタクロースに続いてイタリア人の子供たちが楽しみに待っている人物です。なぜならこのお婆さんはお菓子を運んできてくれるのです。
中部イタリアを中心にイタリア全土で子供たちが楽しみにしているこの行事はクリスマスと並んで年末年始の休暇には欠かせないイベント。
ベファーナは魔女と違っていつも笑っていて、お菓子と木炭がいっぱい詰まった袋を持ってホウキに乗って空を飛んでやってくると信じられています。
前年良い子にしていた子供たちには甘いキャラメルやチョコレートを、悪い子には真っ黒な木炭を運んできて、寝室に吊るされた靴下にそぉっと入れていくといわれています。
写真の左側がお菓子でできた「木炭」。
右側はパルミジャーノチーズのように見えますが木炭になる前の「タキギ」らしいです。
民間伝承では次のように語られています。
キリストの生誕の知らせを受けた東方の三博士がキリストに贈り物を届けようと思いキリストを探してベツレヘムの方角へ向かって歩き回りますが、なかなか道がわからず、困った三博士はある老婆に道を尋ねようとしました。しかし、この老婆は家から出ず、道を案内しようとしませんでした。
三博士は自力でキリストの元に辿り着きますが、老婆は彼らと一緒に行かなかったことを後悔してお菓子をカゴいっぱいに準備して家を出て三博士とキリストを探して歩くのですが、残念ながら見つけることができませんでした。
そのため行く道々の家を一軒ずつまわって、出会った子供にお菓子を配って歩いたのです。そのうちの一人が生まれたばかりのキリストであることを願いながら。
今でもこの老婆はキリストに出会えるまで世界各地の子供たちにお菓子を配り歩いているのだと言われています。
クリスマスが終わると、イタリア国内のお菓子屋さんの店頭には大小、素材も様々な「靴下」とたくさんのチョコレートやお菓子が並びます。既に靴下詰めされたものもあれば、自分で好きなお菓子を詰めることができるものもあります。
フィレンツェではエノテカとして有名なドゥオーモ脇の「エノテカ・アレッシ 」などは通年お菓子も販売しており、こうしたイベントに合わせた品揃えも豊富でオススメ。
早速、クリスマス後のベファーナ一色となった店内へお邪魔して来ました。
入り口を入ると通年販売されているお菓子やお茶の陳列棚が並び、その奥のワインやリキュールの棚の並ぶ部屋にベファーナコーナーが設けられています。 ずらりと並んだ靴下の数々。圧巻。
フィレンツェということで地元サッカーチーム・フィオレンティーナのカラーであるヴィオラ(紫色)のものも豊富です。
長い靴下もありますね。
これ全部にお菓子入れると一年分くらい入りそうです。
ぬいぐるみや指人形の付いたタイプ。
アヒル、カエル、ワニなど揃ってます。
普段は単品売りされない有名メーカーの小袋入りのチョコレートもありますので、この時期なら日本へのお土産にもお手頃でオススメですよ!!
エノテカ・アレッシ(Enoteca Alessi)
Via delle Oche 27/29/31r
50122 Firenze
Tel 055-214966
店内には魅惑的なお菓子がいっぱい。
地下はフィレンツェでも屈指の在庫を誇るワインセラー。
右の写真は最近オープンしたばかりの「ワインバー」入り口。
無料のワインテイスティングを週1回で開催中。
日本人スタッフが常駐しているのでお気軽に!!