その昔、アルベロベッロや周辺地域では、オレキエッテをはじめとするショートパスタを、各家庭で手作りしていました。おばあちゃんからお母さんへ、そしてお母さんから娘へと受け継がれてきたパスタ作りですが、時代の流れと共にその伝統は薄れ、便利な既成品の普及に伴い、今では作り方さえ知らない人が増えてきています。
オレキエッテは、小さな耳を意味するオレキエッタの複数形で、耳たぶを思わせる独特な形から、そう呼ばれるようになりました。今回は、そのオレキエッテの作り方と、その形の秘密を明かしちゃいましょう。
オレキエッテ作りに必要なものは小麦粉とぬるま湯。小麦粉は上質のセモリナ粉を使います。用具としては洋食に使うナイフ、そして捏ね台があれば便利ですが、なければ表面が平らな食卓の上で大丈夫です。
生地作り
山のように盛った小麦粉の中央に窪みを作り、ぬるま湯をゆっくり流し込みながら、周囲の「壁」を崩さないよう、指先を使ってゆっくりと捏ねはじめます。
生地がある程度まとまるまで、ゆっくりとぬるま湯を足しながら捏ね続けます。
水分が多すぎると、成形が上手く出来なかったり、出来上がったオレキエッテ同士がくっついてしまうので、注意が必要です。
粉の部分が無くなり、生地の表面が滑らかになるまで練った後、布巾やキッチンペーパーなどをかぶせて5分~10分程度休ませます。成形
生地をこぶし大に切って、更に少し捏ねた後、直径1~1,2cmのひも状に延ばし、自分と垂直になるように置きます。手前から1~1,2cmの所をナイフで切り離します。ここからが重要なポイントです。
切り離した生地をナイフごと少し手前に寄せ、ナイフの背を自分の方に傾けます。捏ね台とほぼ水平になるくらいまでナイフを傾けてから手前に引きます。
この時、ナイフの刃側から、生地がめくれ上がってくるので、ナイフを持っていない方の手の人差し指で、それを軽く押さえましょう。
ナイフを捏ね台に押し付けすぎると生地が薄くなりすぎたり、オレキエッテの表面につく微妙な紋様が消えてしまうので、力を入れないで引くのがポイントです。
生地を押さえていた人差し指を持ち上げると、ナイフに伸され楕円形になった生地が、人差し指にくっついてきます。落ちないように下から親指で押さえると同時に、人差し指に引っかかっている生地をひっくり返すように親指にかぶせます。(人差し指と接していた部分が表側に来ます。)
これで、オレキエッテの完成です。
そうなんです。あのオレキエッテの独特な形は親指の形だったのです。親指の大きい人が作れば、大きなオレキエッテに、小さい人が作れば小さいオレキエッテになります。作業はこの繰り返しです。
慣れてくれば、ある程度決まった大きさ、形のオレキエッテが出来るようになります。
皆さんも是非、手作りオレキエッテにチャレンジしてみて下さい。
アルベロベッロに来たついでに、オレキエッテ作りもしてみたいという方、是非ご相談 下さい。
地元の「プロの主婦」から学ぶ、オレキエッテ教室を随時開催しています。
記事写真提供:特派員野口さん