アルベロベッロの西へ約60キロ所にあるのが「アルタムーラ」の町。人口約68000人のこの町の歴史は意外と古く…などという薀蓄も良いのですが、この街を語るに欠かせないキーワードが一つあります。
それは「パン」。
こう書いただけで、口の中いっぱいにあの「アルタムーラのパン」の食感と、芳ばしい香りが蘇ってくるように感じますが、アルタムーラはイタリア国内でも言わずと知れた「美味しいパン」で有名な町なのです。
実は数年前、どうしても日本に持って帰りたくて、アルタムーラのパンを扱っているアルベロベッロの食料品店に取り寄せてもらい、日本に持って帰った事があるのですが、この時持ち帰ったパンは、長さ60センチを越える大物でした。
機内持ち込み可能なサイズのスーツケースには、切らないと入らない大きさだったのですが、切らずに持ち帰りたくて、紙で包んで特大レジ袋に入れ、手荷物として持って帰りました。
アルベロベッロからローマまでの長距離バスに乗っている間、そして、飛行機に乗っている間も、時折パンの芳ばしい香りが鼻をつき…。
そばに居た人は、「この時々漂ってくる芳ばしい香りは何?」と思ったに違いありません…。
何度もちぎって食べたい衝動に駆られました。
成田空港の税関を通過する時、袋に目を留めた係りの人に「それは?」と聞かれましたが、「パンです」と応えると、「ナマ…じゃないですよね」と言って微妙な笑顔ではありましたが、無事通してくれました。持込禁止物という訳ではありませんが、恐らくあまり例のない手荷物だったので不思議に思ったのかもしれません。
何はともあれ、アルタムーラのパンの特徴は、外はパリパリ、中はしっとり。そして比較的日持ちがする点です。かつて、農業を営む人が多かったこの町では長期間の農作業に持って行くため、日持ちのするパンが作られるようになったのだとか。
真ん中の陳列棚にあるのが1キログラム、下の左側にあるのが500グラムのパンです。こんがりと良く焼けたパンが、きれいに並んでいます。
私が持ち帰ったのと違い丸型ですが、間違いなくアルタムーラのパンです。
この「パリパリ・しっとりパン」ですが、私の場合、包丁を使ってスライスせず、まず、外の硬い皮を手で引き剥がし、「パリパリ」という皮の音を耳で楽しんでから、じっくり舌で味わいます。どちらかと言うと、パンの耳派の私ですが、アルタムーラのパンに限っては、中身もしっかり味わいます。中身の色は、白ではなく、黄色味がかった色をしていますが、塩加減と、舌触りの良さが、たまりません。
と、これだけパンの事を書きながら、パンの写真がたったの1枚…の訳は、既に胃袋に入ってしまったからに他なりません。
急遽、アルタムーラに行く事になった人に便乗して訪れたのですが、あまり時間がなかったので、到着後すぐに見つけたパン屋に入って、写真を撮らせてもらい、パンを買ったものの、アルベロベッロに戻る途中の車内で、その姿はみるみる小さくなっていくのでありました。

因みに、このパン屋さんのショーウィンドゥには、パンで描いたキリスト像が飾ってありました。さすがパンの町。
記事&写真提供:特派員野口さん
それは「パン」。
こう書いただけで、口の中いっぱいにあの「アルタムーラのパン」の食感と、芳ばしい香りが蘇ってくるように感じますが、アルタムーラはイタリア国内でも言わずと知れた「美味しいパン」で有名な町なのです。
実は数年前、どうしても日本に持って帰りたくて、アルタムーラのパンを扱っているアルベロベッロの食料品店に取り寄せてもらい、日本に持って帰った事があるのですが、この時持ち帰ったパンは、長さ60センチを越える大物でした。
機内持ち込み可能なサイズのスーツケースには、切らないと入らない大きさだったのですが、切らずに持ち帰りたくて、紙で包んで特大レジ袋に入れ、手荷物として持って帰りました。
アルベロベッロからローマまでの長距離バスに乗っている間、そして、飛行機に乗っている間も、時折パンの芳ばしい香りが鼻をつき…。
そばに居た人は、「この時々漂ってくる芳ばしい香りは何?」と思ったに違いありません…。
何度もちぎって食べたい衝動に駆られました。
成田空港の税関を通過する時、袋に目を留めた係りの人に「それは?」と聞かれましたが、「パンです」と応えると、「ナマ…じゃないですよね」と言って微妙な笑顔ではありましたが、無事通してくれました。持込禁止物という訳ではありませんが、恐らくあまり例のない手荷物だったので不思議に思ったのかもしれません。
何はともあれ、アルタムーラのパンの特徴は、外はパリパリ、中はしっとり。そして比較的日持ちがする点です。かつて、農業を営む人が多かったこの町では長期間の農作業に持って行くため、日持ちのするパンが作られるようになったのだとか。

私が持ち帰ったのと違い丸型ですが、間違いなくアルタムーラのパンです。
この「パリパリ・しっとりパン」ですが、私の場合、包丁を使ってスライスせず、まず、外の硬い皮を手で引き剥がし、「パリパリ」という皮の音を耳で楽しんでから、じっくり舌で味わいます。どちらかと言うと、パンの耳派の私ですが、アルタムーラのパンに限っては、中身もしっかり味わいます。中身の色は、白ではなく、黄色味がかった色をしていますが、塩加減と、舌触りの良さが、たまりません。
と、これだけパンの事を書きながら、パンの写真がたったの1枚…の訳は、既に胃袋に入ってしまったからに他なりません。
急遽、アルタムーラに行く事になった人に便乗して訪れたのですが、あまり時間がなかったので、到着後すぐに見つけたパン屋に入って、写真を撮らせてもらい、パンを買ったものの、アルベロベッロに戻る途中の車内で、その姿はみるみる小さくなっていくのでありました。

因みに、このパン屋さんのショーウィンドゥには、パンで描いたキリスト像が飾ってありました。さすがパンの町。
記事&写真提供:特派員野口さん