
3月に入り、暖かい日が続くと街のあちこちで新芽が芽吹き、花が咲き始めます。アルベロベッロでも町の所々で、「ミモザ」の花が満開となります。
私はこの花を日本で見た記憶がないのですが、日本にもあるのでしょうか?
フワフワな感触の、直径1センチほどの黄色い球状の小さな花が、いくつもまとまって一つの枝に咲いています。枝の細さとは対照的にボテッとした印象を与える花が、たわわに実った果実を思い起こさせます。
このミモザは3月8日にイタリアの「主役」になります。
この日、欧米の各国がそうであるようにイタリアでも「女性の日」。
それを祝って、男性が女性にこの花を贈るのです。
男性に限らず、町の商店でも女性の買い物客にミモザをプレゼントしてくれるので、旅行者でもミモザをもらえる可能性がありますよ。
老若男女、贈る人、贈られた人、それぞれがミモザを手にして町中を歩くので、町全体が黄色に染まり、ミモザの香りに包まれます。

3月の主役と言えばもう一つ、アルベロベッロ周辺の地方では欠かせないドルチェ(お菓子)があります。
3月19日の「サンジュゼッペの日」に食べられる「ゼッポラ」です。
ゼッポラ自体はこの地方のドルチェとして、常にお菓子屋のショーウインドゥで見られるものなのですが、特にこの日は、ゼッポラを食べるという習慣が伝統的にあります。
カスタードクリームを、シューのようにふっくらと焼き上げた生地の間にはさみ、更に上に搾り出し、その上に、シロップで煮詰めたサクランボを置き、粉砂糖をかけたものですが、程よい大きさが災いして、2つ3つと手が出てしまうドルチェです。
見ての通り、甘味の三重奏なので、甘いものが苦手な人には酷ですが、甘いものに目がない人には是非一度味わってもらいたい一品です。
記事&写真提供:特派員野口さん