特派員記事
2008.08.05
7月18日(金)、アルベロベッロでカーニバルの「夏バージョン」が行われました。アルベロベッロでは冬に本格的なカーニバルを行わないので、夏バージョンというのもちょっと変ではありますが、南イタリアを代表する観光地の夏の夜を彩るイベントとして、しっかりとその重責を果たしているようです。
といっても、まだまだ今年で3回目。
600回を越える隣町プティニャーノのカーニバルに比べると、歴史も浅く、規模の小さなものです。
未だ、試行錯誤の最中と見えて、開始時間や会場が毎回変わっています。
去年は、西陽が照りつける夕方に始まったので、衣装を身に付けた人が汗だくで、見ているだけで暑さ倍増といった感がありましたが、今年は少し学習したと見えて、陽がとっぷり暮れた21時(もちろん時間通りには始まりませんでしたが…)の開始となり、気持ち良い夜風に吹かれながらの仮装鑑賞になりました。
会場もトゥルッリ地域内の石畳の坂道から、平坦で道幅のあるサンティメディチ教会前に変わったので、仮装行列は歩きやすく、見物人には見やすい構成となりました。
参加グループは、プティニャーノの冬のカーニバルにも参加した、アルベロベッロのグループを含め、国内数ヶ所から集まった6-7グループと数は少ないのですが、中にはベネチアのカーニバルに参加している経験豊富なグループもあり、カーニバル自体の歴史の浅さを見事にカバーしています。
巨大な山車の凱旋は無く、派手で凝った衣装を身に着けた人達の仮装行列が中心ですが、慣れた足取りで衣装を操り、沿道のカメラに向かって優雅なポーズを決めるあたりに、参加者各々の熟練度が窺えます。
開始予定時間を優に越えた21:30過ぎ、サンティメディチ前で待機していたアルベロベッロチームが、先陣を切って登場です。
冬に見たあのトゥルッリを纏い、ヴィットリオ・エマヌエレ通りをポポロ広場に向けて歩き始めました。トゥルッリの合間を縫うように、観光客に扮した人が大きなカメラを持って歩き回っています。各グループもゆっくりと後に続きます。
いつも路上駐車でいっぱいの教会前に、貴族風衣装を身に付けたチームが現れると、そこはまるで舞踏会場のような豪奢な雰囲気に変わりました。既に沿道は多くの見物人でいっぱいです。拍手や歓声、そして時々仮面を怖がる子供の泣き声に包まれながら、賑やかで優雅な仮装行列がゆっくりと夜の町を闊歩しました。
記事&写真提供:特派員野口さん