2月24日の火曜日「マルテディ・グラッソ」で今年もカーニヴァルが終了しました。
ヴェネツィアのカーニヴァルは、幻想的な中世の衣装を身にまとった人々が街を歩き回る仮装が有名です。
今年は終日天気にも恵まれ、仮装を楽しむ人も多く、特に最終週末と最終日の火曜日はものすごい混雑となりました。
カーニヴァルとはそもそも「謝肉祭」のことをさし、キリスト教の宗教行事のひとつです。語源はラテン語「CARNEM LEVARE→CARNE-VALE/カルネ-ヴァーレ」となったとされています。その言葉のもつ意味は、「肉(カルネcarne)よさらば(ヴェーレvale)」。
キリスト教の習慣のなかでの断食にあたる「四旬節」に入る前に行う祝宴「謝肉祭」のことをさしています。
期間は1週間ほどですが、最終日は四旬節の初日 「灰の水曜日」の前日の火曜日となっています。
ヴェネツィアはサンマルコ広場を中心に仮装した人々が集まり、それをカメラに収める人の山・・・。仮装した人々はカメラを向けられると待ってましたとばかりにポーズをとるのです。少々ナルシスト・・・。
中世の貴族も大声で笑ったり、ウインドウショッピングをしたり、ヴァポレットに並んだり・・・とあちらこちらで微笑ましい姿も見られます。
この仮装、そもそもは仮面をつけて階層の違いを隠して皆で楽しもうということが始まり。
現代でも、仮装する誰もがカーニヴァルの参加者という点で通ずるところがあるかもしれません。
期間中は、コンサートや仮装コンテスト、ダンス、ショーなどが開催され各地で盛り上がります。
その中で、地味ながらにもなかなか盛況だったのが、食いしん坊さんにお薦めの「フリトイン・エクスプレスfritoin express」。
今年公式プログラムにも入ったもので、船上の魚介のフリット屋。「フリトイン」とは、ヴェネツィアの方言でフライ屋のようなものをさします。地元で長いこと料理人として働いてきたマウリツィオ・アダモさんのフライ実演販売です。揚げたてのフライを厚めの紙を円錐状にくるくる丸めた中にガサッと入れてくれます。船の前には人だかり。かなりの人気でした。
そして、カーニヴァルの定番として忘れてはならないのが、フリッテッレとガラーニ(クロストリ)。
前者は揚げたドーナツのようなもの。中にクリームやザバイオーネ(卵黄をかきたてて、リキュールで香りづけしたもの)などが入っています。
そして後者は幅広いパスタ生地のようなものを揚げたもの。各地で名称が変わります。
こうして終わるカーニヴァル。
カーニヴァルが終わるとイタリアにも少しづつ春が訪れます。ヴェネツィアの観光シーズンの幕開けです。
記事&写真提供: 特派員白浜さん