ソットマリーナは、ヴェネツィアの南側にあるキオッジャの小さな町。ヴェネツィア・ラグーナの最南端に位置する海岸沿いの小さな町です。
町の歴史はこの地域の近隣の街に比べると比較的浅くて、14世紀にジェノヴァとヴェネツィアの争いのあった頃からとされています。それまでひと気もなかった場所だったですが、17世紀後半から町として形成されました。
夏はヴェネト州の海水浴場として、多くの海水浴客がこぞって出かける場所でいわゆるリゾート地。
夏場には、特に週末ともなると海水浴客の乗る車の長~い渋滞 が続くのですが、まだまだ寒い今の季節は、夏の風景とはまったく異なる別の顔を持つ町です。
海岸沿いは日本でいう海の家がずらりと並び、幹線道路にはリゾートマンションとホテルが立ち並んでいますが、現在はどこも閉まっており、閑散としています。
でも、このひと気のない季節だからこそ味わえる、静かな海もなかなかのもの。
下ばかり向いた長靴姿のおじさんは潮干狩に。
アサリなどの小さな貝がたくさん採れます。
町の産業は主に漁業と夏の観光。ここではやはり 海の幸を使った料理が美味いのです。
ヴェネツィア本島よりもかなり格安で美味い魚料理が食べられます。
レストランも扉を固く閉じているところが多いなか、営業中の一軒はその名も「グランソ・スタンコgranso stanco」。
直訳すると「疲れた蟹」。グランソgransoとは、ヴェネツィアの方言で蟹=グランキオgranchioのことを指します。
レストランの中はリラックスのできるゆったりした空間。
料理も質がよく、値段も適正なので満足できます。
GRANCO STANCO
Lungomare Adriatico Sud, 30019, Sottomarina Lido
Tel;041.491192
寒い冬が過ぎさりつつ、春の風もまだまだ冷たい季節ですが、浜辺にふく潮の風は、冷たくて頬にひんやりと心地よいものです。
記事・写真提供:特派員白浜さん