ヴェネツィアに来たらぜひ体験したいのが、バーカロ巡り。
「バーカロ」とは 居酒屋と表現されることが多のですが、その業態は伝統的なヴェネツィアのオステリア。
店内のバンコ(カウンター)からグラスのワインを、そしてバンコの脇に備えてある小さなつまみを出すのが特徴です。
「バーカロ」の由来は、「バッコbacho(=ワイン)」と言われていますが、別説には「ファ・バカラfar bàcara(バカラ;干タラでヴェネツィアの代表的な伝統料理の素材)」といって、「バカラを食べさせる場所」のような意味だともされています。
また、ギリシャ神話の酒神ディオニソスの異称をイタリア語では「バッコbacco」と発音することや酒宴でお祭り騒ぎをすることを「バッカナーレbaccanale」ということに由来しているなど諸説尽きません。
現在のような小さな肴をつまみにワインを楽しむというスタイルの始まりは、その昔、ブドウ(ワイン)の製造業者がヴェネツィア・サンマルコ広場で、収穫を祝うフェスタを開催したときに、訪れた人々に楊枝にさしたつまみをふるまったことなどからだとか。
ちなみに、現在のヴェネツィアでも使うことの多い「グラスのワイン」を示す「オンブラombra(影)」という単語は、この野外イベントの際にワインの樽を鐘楼の影に置いて日の光から遮ったことからくるものです。
現在、ヴェネツィア近辺にあるこうした店の造りはどこもたいてい似通っていて、入ってすぐにバンコ(カウンター)、その脇におつまみ(チケット)が並んでいるのが普通です。
カウンターで飲み物を頼み、好みのつまみをつまむのが定番のスタイル。
多くの人は立ち飲みのスタイルで楽しんでいますが、もちろん腰を落ち着けてもOKです。
前置きが長くなりましたが、数あるバーカロの中でも最も歴史のある店が「カンティーナ・ド・モーリ(Cantina Do Mori)」で、その歴史は1462年からといわれる老舗中の老舗。
「ド」は「ドゥエ(数字の2)」のヴェネツィア訛り、
「モーリ」は「ムーア人」の意味。
店内は細長くて薄暗く、バンコの後ろにはワインの樽が並び、正面にはチケッティ(おつまみ)が数多く並ぶバーカロ好きにはたまらない空間。
天井には銅製の鍋がすらりとぶらさがっています
ヴェネツィア特有のフラゴリーノも置いてあります。
赤は通常はワインをベースにシロップを混ぜたものでラベルも貼られて販売されてはいるものの、白はラベルもなく、注文すると冷蔵庫からゴソゴソと出してきてくれます。
そして注目すべきはその営業時間。
朝8時半から夜8時まで。朝から酒を飲むヴェネツィア人らしいスタイル。
これぞ「バーカロ」。
お酒とつまみ、そして時間の奥行を楽しませてくれる素敵な店です。
CANTINA DO MORI
S.Polo 429, Riarto, Venezia
Tel/Fax: 049.5225401
8.30-20.00
日曜休み
記事&写真提供:特派員白浜さん
◆ヴェネツィアが好き!
◆ヴェネツィアでバーカロ巡りのツアーがあれば嬉しいな!
◆今度イタリアに行ったらこのバーカロに寄ってみたい!
◆とにかくイタリアが好き!
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投稿: yu-yu -2009年5月15日 (金) 22時31分
■無題
初めまして!去年3ヶ月、Veneziaにいました!もっと早く知っていれば…行ってみたかったです。とてもいい街で、そして安全でしたね。どこを撮っても絵になる所ばかり!結局3000枚くらい撮っちゃいました( ´艸`)またイタリアに行きたい病になっていますね。 -
投稿: his-rome -2009年5月18日 (月) 10時04分
■>yu-yuさん
ヴェネツィアは治安も良く、観光に適した街ですよね。確かにどこを切り取っても絵になり、シャッターを押し続けたくなる街です。今度またヴェネツィアにいらっしゃるときには紹介したバーカロにも足を運んでみてください。