旅先で困るのがトイレ。
あちらこちらに使用可能なトイレが点在する日本になれている私たちにとっては深刻な問題にもなりがちです。
世界の観光地でもあるヴェネツィアのトイレ事情は、なかなか厳しいものがあります。
小さなバールなどでは客にトイレを使用させてくれない場所もありますし、店先にたつちょっと親切そうだなと思えるおじさんに猫撫で声で懇願しても、冷たく公衆トイレの『WC』マークを指さされてしまいます。
そのため事前にトイレ情報を獲得しておくのもヴェネツィアを歩くには必要なのかもしれません。
かなり割高感があります。しかし、これもヴェネツィア市の財政難から来るもので、仕方ないのだといわれています。
ヴェネツィアは年間2100万人以上もの観光客が世界中から訪れるという世界でも名だたる観光都市。
しかしながら、このうち1500万人は日帰り観光客、88万人は地中海を巡る豪華客船の乗客ということで、実際にヴェネツィアに宿泊して食事をしてくれる、純粋(?)な観光客はこの数字の半数にも満たないのです。
宿泊までする観光客は意外と少ないものだといわれています。
ヴェネツィアにある公衆トイレは一回につき1.5ユーロ。
人が集まれば、それなりに町は汚れ、清掃代やらゴミ問題も深刻です。
トイレを使えば水道代やら紙代やら、色々コストも嵩みます。
ホテルもレストランもヴェネツィアは他の有名観光地に比べると割高なので、それをなるべく利用しないようにと訪れる側は考えるのですが、これがまた悪循環な結果を生むことになるのでしょうか。
観光客がなかなかお金を落としてくれないので、苦策の末にトイレ使用料を上げたり、サンマルコ広場に座ってのパニーニなどの軽食を食べることを禁止したりするのも、やむを得ないことなのかもしれませんが。
ヴェネツィア市では、こういった公共施設、交通機関、美術館、公共駐車場などの使用料値上がりとともに新たな改善設定も進んでいます。こうしたすべてのサービスをオンラインで事前に買い求めることができるシステムが2009年2月から導入されています。
このシステムでは通常トイレの使用料は1日券(2回使用)が3ユーロ、1週間券(10回使用)が9ユーロですが、オンラインでの購入では少々割安になり、1日用が2ユーロ、1週間用が7ユーロとなります。
また、季節による区分もあり、ローシーズン(11月2日~3月31日)、ハイシーズン(4月1日~11月1日)、そしてハイシーズンの週末は超ハイシーズンとして色分け区分もされ、それぞれ値段設定が変わります。
最も安い時期でのトイレ使用料は、1日用1ユーロ、1週間用5ユーロにまで下がります。
このサイトはVenice Connected というもの。
購入時の支払いはクレジットカードのみとなります。
ページのトップから「il mio carello」→使用日を指定→使用する内容を指定して購入します。
(ちなみにトイレは「servizio」)
しかしながら、旅の基本=“トイレは行ける時に行く!”を忠実に守り、食事時、休憩時には店のトイレはとりあえず使用することは必須ですね。
記事&写真提供 特派員白浜さん