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このブログでも何度も紹介している、ヴェネツィアの特色ある飲食店の形態「バーカロ」。
立ち飲み＆チケット（おつまみ）＆おしゃべりで時を過ごすスタイルは、ヴェネツィアを訪れたら一度は体験していただきたいもののひとつです。

ヴェネツィア本島の中心でもあり、また観光スポットでもあるリアルト橋付近のサン・ポーロ地区は、多くの飲食店がひしめきあう場所でもあります。

そのなかでもヴェネツィアっ子及び、最近では観光客にも人気のオステリアが、リアルトの魚市場にほど近いところにある「カンティーナ ド・スパーデCantina Do Spade」。


店名の「ド・スパーデ」とは、「二本の剣」という意味。
名の由来は、現在この店のある小路の先にかかる橋が、中世の時代に一人の女性（コルティジャーナ＝宮廷に仕える娼婦）を巡り、二人の騎士が戦った場所であるというエピソードから。
ちなみに同店のあるこの通りは、その名も「ド・スパーデ通り（カッレ・ド・スパーデ）Calle Do Spade」といい、その名残を残してもいます。

店は昼間でも薄暗いソット・ポルテゴの下に狭い入り口があり、中を覗くと奥に続くテーブル席も見えます。
これぞ「バーカロ」といった雰囲気満点の店内。入口近くのカウンターそして大皿が並ぶチケット・・・。典型的なパターンです。

ここでのお勧めは、串にさされたヤリイカのフリットやポルペッティ（一口サイズの揚げ肉団子やコロッケ）、タコやイカのグリル、そして小イワシの甘酢漬けであるサルデ・イン・サオルなど。
ヴェネツィアらしい定番おつまみが並び、どれも美味しく仕上がっています。

これらのおつまみを適当に注文して皿に盛り合わせてもらい、飲み物を頼んで立ち食いまたは脇にあるイスに座って楽しめます。

もちろん、奥のテーブル席では落ち着いて食事も楽しめます。
プリミ・ピアッティには、アサリのスパゲティ（Spaghetti alle vongole）、エビのトマト煮スパゲティ（Spaghetti alla busara）、イカ墨のスパゲティ(Spaghetti al nero)、ヴェネトの太いスパゲティ状のパスタにアンチョビとタマネギを煮込んだビーゴリ・イン・サルサ（Bigoli in salsa）など、良心的な料金で8ユーロから。
バカラの3種盛り合わせ（Tris di baccala）、イカの墨煮ポレンタ添え（Seppia in nero con polenta）、ヴェネツィア風レバーの煮込み（Fegato alla veneziana）などのセコンド類もお手ごろな12ユーロから揃っていて、もちろんヴェネツィア料理のオンパレード。どの料理もとても素朴で美味しいものです。

ヴェネツィア散策の途中に、ぜひ立ち寄っていただきたい一店です!!!

Cantina Do Spade
Calle Do Spade, S.Polo 859/860
Tel; 39. 041.5210583
月曜定休

記事&写真提供：特派員白浜さん