リド島はヴェネツィア本島から水上バス(ヴァポレット)が頻繁に出ていることもあり、ラグーンの中でも比較的足を運びやすい島のひとつといえると思います。
夏季はリゾート地としてヨーロッパじゅうからはもちろん、地元ヴェネト州の人々が集まり、海水浴を楽しむ場所として知られています。
リゾート地としてのリド島のお話はこちら !
ヴェネツィアとはいえ、ここは本島とは違った雰囲気。本島のように張り巡らされた運河と橋・・・という独特の風景はなく、道路も運河もかなり広めに整備されています。
そんな街角で人気のオステリアが運河沿いにある「オステリア・メルカ(Osteria Al Mercà)」。
メルカ=メルカート(市場)の通り、魚市場のあった場所。
当時の面影はその造りと敷地内の屋根、そして魚を売る棚(台)に今も見ることができます。
夕方ともなると多くの人がここに集まり、アペリティーヴォを手にしながら思い思いの場所に立ち、または腰をおろしリラックスムード。
比較的大きなスペースですので、ヴェネツィアとは思えない大変オープンな雰囲気と昔の市場の面影のあるアンティークな雰囲気が魅力のロカーレ(店)です。
テーブルに着席の場合には、屋根の下の木のテーブルに紙のランチョンマットのラフなスタイル。
黒板に書かれたその日のメニューは種類こそ多くはないものの、リド島ならではの魚介を使った軽やかなメニューや、ヴェネツィアのオステリア特有のものが並び、食欲をそそられます。
黒板に記された「本日のメニュー」
バカラ(塩干しタラ)のフリット(フライ)9ユーロ、ポルペッティ(肉入りコロッケ)のフリットまたはトマト煮10ユーロなど。お値段も手ごろ!!
バカラマンテカート(バカラをオリーヴオイルで練り上げてペースト状にしたもの)やフォルピ(茹でタコ:正しいイタリア語は「ポルピ」で「フォルピ」はヴェネト方言ですが、ここらへんではこちらの呼び名が一般的。)などはとても美味しいものです。
これらを食事としてではなく、アペリティーヴォのお供(おつまみ)として食べることも可能。
個人的には衣がカリッと中はジューシーな特有の風味を残したバカラのフリット、ポルペッティのフライなど、キリリと冷えたプロセッコに欠かせないものと断言さえしたいところ。
紙ナフキンにはさんで手渡ししてもらい、グラス片手に楽しめます。
小さな店内は座る場所はなく、バンコ(カウンター)のみ。
ここでも例にならい、多くの総菜/おつまみ(チケット)が並びますので、目で楽しんで好みのものを選んで皿に盛り合わせていただくのもお勧め。
ズッキーニの花とモッツァレッラ、アンチョビのフライと茹でタコ
Osteria Al Mercà
Via E.Dandolo 17/A
Tel/Fax; 041.7129896
記事&写真提供:特派員白浜さん