ヴェネツィアで美味しいものを食べたいときはレストランもいいのですが、
ヴェネツィアならではの楽しみのひとつ、立ち飲みのできるオステリア=バーカロ・チケッテリア巡りも、ここ最近ヴェネツィアを訪れる人たちの楽しみのひとつとして定着しているようです。
ヴェネツィアーノにバーカロの話をすると、
結構な確率で「バーカロ」よりも「チケッテリア」の呼び方を好むようです。
バンコ(カウンター)に置かれたつまみ「チケッティ」から来る言葉なので、
この業態の呼び名としては、「チケッテリア」のほうが、本来の呼び名としては正統なのでしょうか。
さて、「チケッテリア」巡りは
とりあえずはそれらが多く集まるカンナレッジョ、カステッロ地区から。
まずはサンマルコ広場裏側にあるカンポ・サン・フィリッポ・ジャコモ界隈へ。
ゆるゆると歩いて到着したこの界隈は、
ふと気づけばゴンドリエーラが仕事帰りに寄る一杯飲み屋が多いのです。
彼らの立ち寄る店はいわゆる地元人のお墨付きということもできるでしょう。
そのなかでもとりわけひと気の多い一軒へ。
路地の角地にある同店はまさしくゴンドリエーレの溜まり場。
来るわ来るわ、次から次へと現れるゴンドリエーレ。
白と黒の縞模様のシャツを着た体格のよい日焼け顔の彼ら。
地元訛りの大きな声で喋るので、実際よりも店内は人で溢れているような感じもします。
その横では観光客が座ってちびちび飲んでいたり、
店内奥には地元の人やら学生やらが集っていたり。
外気は冷たくなり始めているのに、中は汗をかかんばかりに熱気いっぱい。
店名の「バッコ(bacco)」はローマ神話のワインの神様。
立ち飲み屋としては少々割高なグラスワインでだとは思いますが、
質のよいものを大きなグラスで出してくれます。
つまみも、ヴェネツィアならではのバンコ(カウンター)に並ぶ
チケッティ(つまみ、惣菜)は特になく(ちょっと表題とは矛盾してしまいますが・・・)、
パニーニなどが並ぶだけなのですが、
頼めばいろいろとつまみ類も出してくれるので、座って腰を落ち着けることももちろん可。
とはいうものの、雰囲気を充分に味わうには、
がやがやとした中にいるのがお勧めかもしれません。
ヴェネツィアらしい雰囲気をぜひお楽しみください。
Osteria da Bacco
Calle delle Rasse 4620, Castello
Tel; 041.5222887
記事&写真提供:特派員白浜さん