シリーズでお伝えしてきたヴェネツィアでチケッティを楽しむ!!第3弾。
第1弾「オステリア・ダ・バッコ」
第2弾「ウン・モンド・ディ・ヴィーノ」
最高のチケッティ探しで辿りつく先のひとつとして挙げたい店です。
サンマルコ広場裏側、カステッロ地区。
ゆるりゆるりと歩いて、サンタ・マリア・デイ・ミラーコリ教会Chiesa di Santa Maria dei miracoli方面へ。小さなカンポ(広場)を出た所はヴェネツィア特有の中心にポッツォ(井戸)のある風景。
夕方も日の暮れる頃、小さな空間の端には開店準備中、セッティング中のテーブルと店内の明かりが。
日が暮れかけた中にぼんやりと浮かび上がっていて、なんだか吸い込まれるように近づいていったら、オステリア&チケッテリアと看板に手書きしてあります。
店名(オステリア・アル・ポッツォ・ロヴェルソ)はもちろん、この井戸の名を謳っています。
開店準備中のカメリエーレに尋ねたら、
「反対側の入口にはバンコ(カウンター)があって、一杯飲めるよ」ということなので、ちょっと立ち寄ってみることにしました。中をつっきるように勧められたのですが、外観からその店の雰囲気を見たいのでそれを断って外からまわって店の前に出てみました。
店前は可愛らしくて思わず立ち止まってしまう、程良い大きさと居心地のよさそうな空間。
窓際に掲げられた黒板や、木の椅子、屋根の具合など、とても可愛らしい雰囲気です。
店内天井にあるなんだか白い円形のところには、ビーゴリのレシピやら、他料理のレシピが手書きしてあって、さりげなくお洒落っぽい仕立て。
店内はちょっとモダンな感じに改装されたのか、大きなガラスのバンコがありますが、床や壁、テーブルなどはちょっとアンティーク調の新旧一体型(?)となっていて、店員もそれなりに制服を着込んでいます。
チケッティはけっこう大ぶりな揚げものが中心。
ポルペッティやヤリイカのフライなどの定番から
ズッキーニの花のフライ、野菜のフライ、グリル、
そして魚介類のサラダや茹でものなど。
ワインの種類ももちろん豊富で
私はソーヴィニヨンを、同伴した友人はカベルネを飲みましたが、どちらも質のよいもの。そしてグラスもワインに合わせたもので提供してくれるので、ワインを楽しむために立ち寄りたい店としては、お勧めです。
ゴンドリエーレがワサワサっと入ってきて楽しそうにグイッと飲んで帰っていったところをみると、彼らもこれを知ってのことでしょうか。
着席して食べたい方には、ヴェネツィアならではの魚介を使った料理もお勧め。
比較的手ごろな値段でいただけるようです。
店頭の黒板に記されているワインリストは「オンブレ・デル・バンコ(Ombre del banco)」。
オンブラ(レ)とは、ヴェネツィアではグラスワインのことを指します。
その昔、サンマルコ広場にてワイン祭りが開かれた際に、ワインの風味を損ねないために広場の日陰を探してワインの樽を移動したことから、オンブラ(影)と呼ばれるようになったとか。
Osteria al Pozzo Roverso
4829 Casterro
4814 Corte del Pozzo Roverso
Tel; 041.5202759
記事&写真提供:特派員白浜さん