4月14日から19日までミラノでは毎年恒例の「ミラノサローネ」が開催された。
1961年から始まったこの国際家具見本市は今年で第49回を迎え、
毎年4月にミラノで開催される年に一度の大きなイベント。
イギリスやドイツ、東京でもデザイン博として展示会が行われているが
参加企業が2600を超える「ミラノサローネ」は
世界でも最大のデザイン博として年々その注目度、人気が高まっている。
「ミラノサローネ」はミラノ西側に位置するフィエラと呼ばれる巨大会場が中心になる。
イタリア人建築家マッシミリアーリ・フクサスが設計した会場はすべて歩くと14キロにも及ぶと言われ、
昨年2009年の来場者は33万人にも上る。
会場は「モダン」「クラシック」など家具によって会場が分かれ、
今年は「キッチン」「トイレ、バス」の部門も参加した。
家具メーカーはこのミラノサローネによって年間売上の6-7割の顧客を獲得すると言われていて、
各メーカーの競争も年々激しさを増している。
期間中はブースの展示工夫や有名デザイナー作品の発表など
世界のデザインの発信地ミラノとして賑わいを見せるが、
近年ではミラノ市内で行われる各イベントを
「フォーリサローネ」と呼んで本会場以外の盛り上がりも目立ってきている。
日本からも東芝やパナソニック電工、キャノンや
老舗家具メーカーカリモクなどが新鋭デザイナーを起用して作品を世界に送り出し、
ミラー効果として日本からの来客もかなりの数になる。
今年の特徴として以前は見捨てられていた廃材や木材などの再利用、
大理石などの素材の見直し、
そしてそれと自然との調和というデザインが多く見られ
環境を問いなおすまさに地球規模のイベントとなった。
ミラノでは一年で一番人の出入りが激しいこの時期に
アイスランドの噴火により航空がマヒ状態になり
「サローネ難民」と呼ばれてミラノから動けない人々も出現し、
日本からの後発隊が断念するなど、
改めて自然との共存という意識が見直される印象的な年となり幕を閉じた。
記事&写真提供 特派員:佐武辰之佑 こちらもチェック