ヴェネツィア土産…といえば筆頭にあがるのがヴェネツィアングラス。
地元では一般的にムラーノのガラス(ヴェートロ・ディ・ムラーノvetoro di murano)と呼ばれています。
しかしながら、実際にヴェネツィアに来て適当な値段のガラス製品を買い求めても、意外ともらう側は反応が薄かったりすることもあるのでは?!(個人的体験談)
それもそのはず、今、ムラーノのガラスは安価な中国製品が多く出回り、大変深刻な問題にもなっているのです。やはり本物と偽物とでは、品物の価値が雲泥の差。買い求める側もしっかりとした眼を持つ必要があるようです。
さて、ここでご紹介するのは、正真正銘のホンモノを扱うお店。
小さな路地に看板もなくひっそりと、しかししっかりと存在するのが、
「ラルベロ L'albero」です。
同店のオーナーであり自らがガラス職人であるジュセッペさん(通称ピーノさん)がこの地に店を開いたのが約30年前。
ガラスに魅せられた彼のつくるガラス製品の魅力は、細やかな繊細さを持ちつつも大胆な色遣いと可愛らしさがミックスする妙。
他とは違う、とヴェネツィア内を何軒もはしごしたお客さまや毎年ここに通う常連さんもいるとのこと。
フランス人やオランダ人、ロシア人、アメリカ人など国籍も様々なお洒落さん達が通ってきます。
店名のアルベロ(ラルベロ)は「木」という意味。
ポルタ・フォルトゥーナ(幸運をもたらす)とされる木を模したペンダント・トップは同店オーナーのピーノさんが店をオープンした当時からつくり続けるオリジナル商品。
木にもいろいろあり、並べてその遍歴をみるとそれぞれが全然違う表情を持っています。
そして、これらのデザインを支えているのがムラーノのガラスを有名にし、特徴づける技法のひとつであるミッレ・フィオーリと呼ばれるもの。
日本語に訳すと「千の花」。
これを使ったガラスのデザインが花をたくさん散りばめたような美しさを持つからでしょうか。
細い筒状のガラスの芯に模様が続いているいわゆる日本の金太郎飴状のもの。それを熱で版に押して板にしたものを製品にしていきます。
写真の商品は夏仕様で美しい水色。涼しげで可愛らしい色合いです。
そしてこちらはもう今やこんなに手の込んだデザインはあり得ないだろうと言われている昔のミッレ・フィオーリ。
残念ながら、売り物ではなくプライベートコレクション。
こういった珍しい価値あるガラスは長い間店を持ち続け真面目に職人を続ける彼のもとに、知人やらお客さんを介して店にやってくるのだそう。
店のなかにゴロゴロ転がっているガラスのカケラ達は、実はもう今やどこでも手に入らないような貴重な材料なのだとか。古くなったガラスもきれいに磨きをかければまた美しいアクセサリーに変身します。
店主のジュセッペ(通称ピーノ)さんの奥様は、京都出身のkanaeさん。
彼女自身もデザイナーとして、ピーノさんのつくるガラスを指輪やピアス、ネックレスなどへとアレンジしています。ガラスへの造詣も深く、ガラスの説明やデザインのアドバイスなどもしてくれます。
色使いがとってもきれいで可愛らしい。
派手な色合わせもあれば控え目なものも。
どれもこれもがセンスがよくて見れば見るほど夢中になって店内をグルグルしてしまうこと間違いなし。
これらの色合わせ、デザインはピーノさんのインスピレーションだとか。
そして何よりも嬉しいのが、どれもこれもオリジナルで一点もの。
商品の価格も意外と手ごろなものが多いのもさらに魅力。
指輪やペンダントは10~20ユーロくらいのものも豊富です。
お土産用、自分用にといかがでしょうか。
L'albero
Calle dell'ospedaletto castello, 6376/a, Venezia
Tel 041.5236875
http://www.alberovenezia.com
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック
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投稿: QUALITA表参道 -2010年9月 1日 (水) 09時59分
■かわいい
すごい素敵(^-^)金太郎飴みたいですね! -
投稿: his-rome -2010年9月 1日 (水) 10時49分
■Re:かわいい
>QUALITA表参道さん個人的にヴェネツィアのガラス製品はこういう小物のほうがかわいくてよいと思うのです。エレガントなシャンデリアとか花瓶はもうちょっと大人にならないと・・・。買えません。