特派員記事
2010.09.03
ミラノの中心ドゥオーモからほど近いpalazzo della ragioneでは季節ごとの展示が行われる。
現在は写真家Francesca Woodmanの写真展が開催中。
フランチェスカ・ウッドマンは日本ではさほど知られていないが、
1958年アメリカ生まれ。
イタリアへ留学したことをきっかけに作品が多く認められたことから
イタリアでは割に名の通った写真家でもある。
彼女が活躍したのは主に70年代で
混沌と揺れ動く時代を象徴するように、白黒の写真、
そしてセルフポートレートを中心にした個性的な作品群は
現代の我々にはない鋭さをもって描かれている。
生と死、そして哲学的なテーマを残した彼女のアートスタイルは
西洋社会に多くの影響を残し、
1981年ニューヨークの自宅の窓から飛び降りた彼女は
今では伝説的な写真家として知られている。
彼女が生涯残した作品群は120枚ほどの写真とビデオ。
この写真展ではそのほとんどのコレクションが展示されている。
アートの街ミラノの中心で写真展のポスターは至る所で見ることができる。
今一度そこに映っているものが何かを語りかけ、
ミラノというこの街で息吹を吹き返したようにも思える。
写真展は10月24日まで。
ミラネーゼ達がこぞって感覚を磨きにゆくその場所で、
同じ空気を感じてみるのも一味違ったミラノの思い出になりそうだ。
住所:palazzo della ragione
時間:月14:30-19:30 木9:30-22:30 その他の曜日:9:30-19:30
入場 8ユーロ
インフォメーション
記事&写真提供:特派員 佐武辰之佑 こちらもチェック