特派員記事 2012.03.16

ヴェネツィアの造船業は、
ヴェネツィア繁栄の歴史、ヴェネツィア共和国の歴史とは切っても切り離せない
この土地の歴史そのものであり、重要な伝統産業です。

ヴェネツィアを歩いていても、
運河を見ずに、船を見ずに歩くことは100パーセントあり得ないほど
人と水、そして船との非常に密着した関係は、昔も今も変わることはありません。

ヴェネツィアに小さなショップとその近くに工房を持つ店主、ジルベルトさんはその伝統を守るべく、代々ヴェネツィアの造船に関わってきた家系の出身。
彼が守る同店(ジルベルト・ペンツォ)には、
たくさんの船の模型と船関連の物品などが所狭しと並んでいます。notes

大小、非常に精巧に作られたそれらのミニチュアは、本物と変わらない材質を使用し、すべてが彼の手によって組み立てられた手造り品。
小さなものは10ユーロくらいから、そして大きなものは本人も値段はつけられないという代物まで、船にかけた彼の情熱が店内いっぱいに感じられます。coldsweats02

彼はこのミニチュアを造る仕事だけでなく、本業は実際のヴェネツィアでの造船及び修理。

現在見られる観光用に使われているゴンドラは、もちろん昔は人の輸送用に使われていた日用船。
このゴンドラ製造をする後継者が減少しているのがヴェネツィアにとっては非常に深刻な問題wobblyとなっているため、後継者教育のために講習を行ったり、実技訓練のためにも力をかしています。happy01
伝統を守る職人さんがここにも。notes

これは、櫂をとりつけるための部分。


そしてこちらはEx Votoといって、
その昔、航海中に海難に合った際に助かったことを神に歓び、それを絵にして船の安全を期して飾っていたものです。

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ヴェネツィア
の船の特徴は船底が平らなこと。
ラグーナの上に造られているヴェネツィアの地形上、
船底は平らでないと、干潮時及び浅瀬を進行するのが困難だったため。
そのため、海上での風や波の影響を受けやすく、それによる事故も多く起こったとか。
海の安全を祈願する、海の町ならではの歴史の一端です。

そして、彼はヴェネツィアの船について書いた著書も出版しています。
こちらは100年のヴァポレツットの歴史を綴ったもの。
昔の蒸気式のものから現在に至るまでの歴史が細かく記されています。

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そして、この日は彼の工房に連れていってもらいました。happy01
店からほど近い彼の工房には、これまた精巧な模型がたくさん。
すべてオリジナルと同様の素材、塗料が施されたこれらの作品。
売り物にはできないほどの彼の傑作品もここに保管してあります。

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こちらは船の造船現場を再現したもの。
実際と同様な光景がここに見られます。

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こんな彼のもとには、世界中から船の愛好家やコレクターからも多くのアクセスがあり、委託注文を受けることも。大きなものは1年以上もかけてゆっくりと、そして丁寧に造りあげるのだそうです。


現在、彼の店で人気なのが、組み立て式の船の模型キット
それぞれの部品の入ったキットには図解もつけられていて、持ち帰って自分で組み立てる楽しみがあります。
ゴンドラやヴァポレットなど数種のヴェネツィアらしい船が揃っています。

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ヴェネツィア
ならではの伝統産業を守るべく、小さな工房を守り続けています。
写真の彼の手に収まっているのは、現在作業中の1600年代に使われていたゴンドラです。

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当時のビロードで覆われた屋根付きのゴンドラは、当時から決められていた規則どうりに黒く塗られたもの。
長い歴史は現在も脈々と受け継がれています。
伝統を守ることは、絶やさない努力や働きかけが大切なことを
改めて知ることになった気がしました。



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Navi e Barche Gilberto Penso
S.Polo 2681, Venezia
Tel. +39.041.719372


記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック

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