テーマ： 美術館
4月14日から今週末22日までは文化週間。
嬉しいことにイタリア中の国立美術館・博物館が無料となっています
このチャンスを利用しない手はないと、3年前はピッティ宮、一昨年はウフィッツィ、昨年はアカデミア&メディチ家礼拝堂を訪れた後の今年は、ちょっぴりマイナーではあるけれど、非常に興味深い中世邸宅博物館・PALAZZO DAVANZATI (ダヴァンツァーティ宮)に行ってみました
この邸宅は1300年代半ばに建てられたのですが、1578から1838年に最後の君主が自殺するまで260年という長きに渡って住み続けていたダヴァンツァーティ家の名が残されています。
中世からルネッサンスへの変わり目である1300年代の建物らしく、中世の貴族達が権力の象徴として高さを競い合って建てた塔住宅とルネッサンスの宮殿建築の両方の趣きを残しています。
正面にどーんと構えている紋章と、最上階のテラスは元々はなかったのですが、ダヴァンツァーティ家の手による改装で付け足され現在の姿になっているということです。
一時は市の再構築計画によって取り壊しの危機にさらされたりもしましたが、1904年に古物商が買い取り修復。
ただ、ダヴァンツァーティ家消滅後、既にオリジナルの家具の多くがなくなってしまっていた上に、この古物商の女性がニューヨークでコレクター向けに残りの貴重な家具を競売（アメリカでのヨーロピアン・アンティーク嗜好はこれをきっかけに開花したらしい）、その後も別のアンティーク・コレクターが邸宅を買い取った後には、ダヴァンツァーティ家所有の家具は根こそぎ売り払われてしまったのだそうです。
空っぽになってしまったダヴァンツァーティ宮ですが、その歴史的価値から1951年には国が買い取り、かつての住民の生活ぶりを再現させるために、フィレンツェ市内の他の博物館から家具や調度品を厳選して揃え、1956年に国立博物館としてオープンしています。
その後、90年代後半から更なる修復を経て、2009年再オープン。現在に至ります。
さて、中を覗いてみましょうか...。
1階です。
2階にあるSALA DEI PAPPAGALLI(オウムの間)。
壁中がオウムの絵で埋め尽くされています。
CAMERA DI PAVONI（孔雀の間）は寝室ですが、お祈りをしたり、子供の世話をしたり、刺繍をしたり、お友達とおしゃべりしたりと、女性達はここで日中の大半を過ごしていたそうです。
3階のSALA DA GIORNOでは、いたる所に落書きがされているのですが、当時、この家で過ごした人たちが書いたものを、そのままにしてあるんですって。
3階の寝室CAMERA DELLA CASTELLANA DI VIRGY
フランスで生まれた悲劇をモチーフに、壁の上方に部屋一周、フレスコ画が描かれています。
トイレ
ベッドは、かなり小さめだったので、やっぱり当時の人は小柄だったからかなと思ったのですが、理由はそれだけではなくて、なんと、当時は横にならずにベッドに座った形で寝ていたそうなのです。
横になるのは死者という観念があった彼らは、死を恐れて横にはならなかったんですって。
座って寝るって疲れたでしょうねー。
キッチンは最上階にあるのですが、これは、家中に料理のにおいや煙が充満するのを避けるためと、万一の火事に場合に備えてだそうです。
生活の知恵ですね。
一般に公開されているのは3階までで、キッチンのある4階は予約制のガイド付きツアーでのみ見学可能です。
キッチンの写真はパンフレットから拝借。
今でも誰かが住んでいても不思議でないぐらい、リアルな生活観のある博物館。
フィレンツェの中世時代にタイムスリップしてみたい方は足を運んでみてくださーい。
Museo di Palazzo Davanzati
住所 Via di Porta Rossa 13, 50122 Firenze
電話055 2388610 (ガイド付きツアー(10:00,11:00,12:00)の事前予約はこちら)
月曜日～日曜日 8:15-13:50開館（最終入場13:30)
（第二、第四日曜日、１/1、5/1、12/25は閉館）
入場料 2ユーロ
フィレンツェ支店 キティ
嬉しいことにイタリア中の国立美術館・博物館が無料となっています
このチャンスを利用しない手はないと、3年前はピッティ宮、一昨年はウフィッツィ、昨年はアカデミア&メディチ家礼拝堂を訪れた後の今年は、ちょっぴりマイナーではあるけれど、非常に興味深い中世邸宅博物館・PALAZZO DAVANZATI (ダヴァンツァーティ宮)に行ってみました
この邸宅は1300年代半ばに建てられたのですが、1578から1838年に最後の君主が自殺するまで260年という長きに渡って住み続けていたダヴァンツァーティ家の名が残されています。
中世からルネッサンスへの変わり目である1300年代の建物らしく、中世の貴族達が権力の象徴として高さを競い合って建てた塔住宅とルネッサンスの宮殿建築の両方の趣きを残しています。
正面にどーんと構えている紋章と、最上階のテラスは元々はなかったのですが、ダヴァンツァーティ家の手による改装で付け足され現在の姿になっているということです。
一時は市の再構築計画によって取り壊しの危機にさらされたりもしましたが、1904年に古物商が買い取り修復。
ただ、ダヴァンツァーティ家消滅後、既にオリジナルの家具の多くがなくなってしまっていた上に、この古物商の女性がニューヨークでコレクター向けに残りの貴重な家具を競売（アメリカでのヨーロピアン・アンティーク嗜好はこれをきっかけに開花したらしい）、その後も別のアンティーク・コレクターが邸宅を買い取った後には、ダヴァンツァーティ家所有の家具は根こそぎ売り払われてしまったのだそうです。
空っぽになってしまったダヴァンツァーティ宮ですが、その歴史的価値から1951年には国が買い取り、かつての住民の生活ぶりを再現させるために、フィレンツェ市内の他の博物館から家具や調度品を厳選して揃え、1956年に国立博物館としてオープンしています。
その後、90年代後半から更なる修復を経て、2009年再オープン。現在に至ります。
さて、中を覗いてみましょうか...。
1階です。
2階にあるSALA DEI PAPPAGALLI(オウムの間)。
壁中がオウムの絵で埋め尽くされています。
CAMERA DI PAVONI（孔雀の間）は寝室ですが、お祈りをしたり、子供の世話をしたり、刺繍をしたり、お友達とおしゃべりしたりと、女性達はここで日中の大半を過ごしていたそうです。
3階のSALA DA GIORNOでは、いたる所に落書きがされているのですが、当時、この家で過ごした人たちが書いたものを、そのままにしてあるんですって。
3階の寝室CAMERA DELLA CASTELLANA DI VIRGY
フランスで生まれた悲劇をモチーフに、壁の上方に部屋一周、フレスコ画が描かれています。
トイレ
ベッドは、かなり小さめだったので、やっぱり当時の人は小柄だったからかなと思ったのですが、理由はそれだけではなくて、なんと、当時は横にならずにベッドに座った形で寝ていたそうなのです。
横になるのは死者という観念があった彼らは、死を恐れて横にはならなかったんですって。
座って寝るって疲れたでしょうねー。
キッチンは最上階にあるのですが、これは、家中に料理のにおいや煙が充満するのを避けるためと、万一の火事に場合に備えてだそうです。
生活の知恵ですね。
一般に公開されているのは3階までで、キッチンのある4階は予約制のガイド付きツアーでのみ見学可能です。
キッチンの写真はパンフレットから拝借。
今でも誰かが住んでいても不思議でないぐらい、リアルな生活観のある博物館。
フィレンツェの中世時代にタイムスリップしてみたい方は足を運んでみてくださーい。
Museo di Palazzo Davanzati
住所 Via di Porta Rossa 13, 50122 Firenze
電話055 2388610 (ガイド付きツアー(10:00,11:00,12:00)の事前予約はこちら)
月曜日～日曜日 8:15-13:50開館（最終入場13:30)
（第二、第四日曜日、１/1、5/1、12/25は閉館）
入場料 2ユーロ
フィレンツェ支店 キティ
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