ヴェネツィアで食べたいもの、といえばやはり魚を使った料理。
今回ご紹介するオステリア・ディ・デンタ・マリーナは、
地元料理、特に魚料理を中心としたメニュー構成で、
居心地のよい雰囲気と美味しい料理を提供してくれるお勧めの食事処です。
店内はクラッシック・エレガントでありながらオステリアらしいくつろぎやすい空間。
現在のオーナーはヴェネツィア人であるアゴスティーノさんとダニーロさん。
13年ほど前からこの地でオステリアを開業し、
アゴスティーノさんはシェフとして料理を、
ダニーロさんはホールにてお客様をもてなしています。
こちらがホール担当のダニーロさん。
同店のお勧めは、繰り返しになりますが、新鮮な魚を使ったメニュー。
アンティパストには、ここヴェネツィアでも意外とお目にかかれないペッシェ・クルード(生の魚)の皿、茹でてサラダ風に仕上げたもの、ヴェネツィアの代表的料理でもある、サルデ・イン・サオル(揚げたいわしとたまねぎの香り漬け)などが定番です。
これは、スターターとして出されたアリーチ(小いわし)とじゃがいものピュレ。
こちらはアンティパスト・ミスト(前菜の盛り合わせ)です。
手前から、ホタテのオーブン焼き、
スキエと呼ばれるヴェネツィアのラグーナで獲れる小さな小さなエビにさっと火を入れ、柔らかいポレンタ(とうもろこしの粉)が添えられています。
その奥はグランセオラ(カニ)のサラダ。茹でてオイルと塩、コショウで味をつけられた非常に風味豊かなもの。
そして一番奥が、これもまたヴェネツィアの代表的な料理のひとつである、バッカラ・マンテカート。長時間かけて戻した干タラを少しずつオイルを加えながらふんわりとパテ状にしたものです。
盛り合わせに組み込まれているのは、いずれもヴェネツィアならではの地元料理。
繊細で優しい味つけに仕上げています。
プリモ・ピアットには、手打ちの細い平麺を使った、漁師風タリオリーニ。
パスタはもちろん店で打ったものが使われます。
ミックスの魚介をトマトでまとめたソースがよく絡んで美味しい一皿。
そして、いか墨を練り込んだスパゲティを使ったウニのソース。
いか墨のパスタはヴェネツィア料理として知られていますが、
それのバリエーションといえるでしょう。
パスタにいか墨が練り込まれています。
海の香りがぎゅっと濃縮したようなひと皿です。
この日は注文しませんでしたが、ドルチェもお勧め。
すべて店で仕込んだ魅力的なものが揃っています。
テーブルに着いて運ばれてくるパンも、店で焼いているもので、ここにもこだわりが…。
そして、同店を訪れるお客様の多くが注文して好評なのが、
メニュー・デグスタツィオーネMenù degustazioneです。
アンティパスト3品、プリモピアット1品、セコンドピアット2品とドルチェの計7品で構成されます。
これらは季節ごとにメニュー内容が変わり、
その季節に応じた魚を主体とした内容。
各皿のクオリティも高く、楽しめる内容です。
ちなみに2012年秋-冬現在、同コースは80ユーロにて提供されています。
通常メニューも2週間ごとに2品ごとのメニューの入れ替えがされるので、
いつもそのときの旬のヴェネツィアの味を間違いなく美味しくいただけることと思います。
どうぞ足をお運びください。
L’Osteria di Santa Marina
Campo Santa Marina 5911-Castello, Vnenezia
Tel;041.5285239
www.osteriadisantamarina.com
(日曜、月曜昼休み)
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック