イタリアのカフェ(通常「カフェ」と言うと「エスプレッソ」のことを指します)を飲むと、
土地ごとに、また店ごとにそれぞれのオリジナルの味があります。
ヴェネツィアのカフェとしてその存在を知られているのが、
ここCaffè del Dogeカフェ・デル・ドージェです。
ヴェネツィアのカフェの歴史は、
ヴェネツィアの商人が海洋貿易で持ちこんだものとされています。
イタリアのカフェの歴史はヴェネツィアから始まった、とも言われていますので、
カフェとヴェネツィアは深い関係にあります。
カフェ・デル・ドージェは
ヴェネツィア・オリジナルとしても広く知られているブランド。
30年ほど前までは、ヴェネツィアにも15軒の焙煎場があったということです。
同店(ブランド)は、今ヴェネツィアを出て他国にも出店もして
グローバル的な姿にもなりつつありますが、
彼ら独自の焙煎及びブレンド方法は伝統を守り続けています。
イタリアン・コーヒーとしてとかく思い当たるのが強い香り。
カフェ・デル・ドージェでは、豆の焙煎を70%ほどの落とすことによって、
後味のすっきりとした爽やかな独自の風味を表現することとしています。
豆それぞれは単一焙煎後にブレンドする伝統的な製法。
豆本来の持つ個性を最大限に引き出し、
同ブランドらしさを出すブレンドを施しています。
ヴェネツィアの伝統製法であるコールド・ブレンドといわれているものです。
そして、特に同ブランドのなかでも一押しとされているのが、
I Caffè delle Stagioni イ・カフェ・デッレ・スタジョーニ。
通常、コーヒーは数種のブレンドを基本としていますが、
これはアラビカ種単一品種によるもの。
コーヒー豆は産地より直接買い付け、
彼らのオリジナルブランドとしているものです。
ここを訪れる地元客も、
それぞれの好みを解っていて
好みの豆を指定して一杯のカフェを注文します。
リアルト橋の魚市場側のほど近い西側、
小さな路地に入ったところにある小さなカフェ。
総督(ドージェ)の赤い帽子をかぶった横顔の看板が目印です。
橋の反対側にも出店がありますが、
こちらの雰囲気が個人的にはお薦めです。
Caffè del Doge
San Polo 609 /Calle dei Cinque, Venezia
+39.041.5227787
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック