特派員記事 2013.03.30

ムラーノのガラス(通称ヴェネツィアンガラス)はヴェネツィアの伝統産業として大変有名なもので、ヴェネツィア島内を歩くと、色鮮やかなガラス製品のお店に必ず見かけることになると思います。

ヴェネツィア島内及び、ガラスの島であるムラーノ島を訪れると、
大小を問わず工房で作業をするアルティジャナーレ(職人)の製作中の姿を見ることがあります。
大変に貴重な光景ですので、興味を持ってご覧になった方も多いでしょう。

そして、見学だけでなく、実際に製作体験をさせてもらえるお店が
ヴェネツィア島内、サンティ・ジョヴァンニ・パオロ教会近くにある、
ムラーノガラス工房兼ショップの『L’Albero/ラルベロ』です。


同店は、ガラス職人であるジュセッペ・インゼリッロGiuseppe Inzerillo(通称ピーノ)さんの手作りの作品が小さな店内に所狭しと並んでいます。happy01
彼の製作する作品は、様々な色合い、素材の組み合わせの妙からくる
大変ユニークな模様が織りなす個性的かつ繊細なもの。
小さな指輪、ピアスから大きな飾り皿まで、バリエーション豊富です。notes

ここでは予約制で不定期開催のガラス製作体験を行っています。
作るものは小さなペンダントトップなどいくつかの定型がありますが、
装着する金具などの相談次第で、最終製作品の様々なリクエストに応えてくれます。
帯留めなどにもできるのだとか。happy01


この日は福島から新婚旅行の記念にと同店を訪れた
西山敦さんと真利江さんご夫妻の製作体験を取材させていただきました。
(お二人には掲載許可をいただいております。ありがとうございます。)

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体験製作始まりはまずはピーノさんのムラーノガラスの特徴の説明から。
ガラスとしては色や柄のバリエーションが非常に豊か。
他国のガラスとは、鉛の含有量が極端に少ないゆえの素材の柔らかさ、軽さが
ヴェネツィア特有のガラス製品を世界に有名にしてきたことなど。

H.I.S.イタリア支店 ♪カプチーノ天国♪-ALBERO_01



そして、製作に実際に使用する素材の説明。
棒状のガラスと砂状のものを組み合わせていきます。

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棒状のものでもいくつかの種類があり、
写真奥に見えるのはクリスタッロと呼ばれる透き通った素材。
それに反して手に持っているものは少し不透明なガラス、オッパリーノ
いわゆるミルキーカラーと呼ばれる色ですね。
そして、完全に不透明なものはパスタと呼ばれます。

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そして、ムラーノグラスの非常に特徴的な素材、ミッレ・フィオーリ
“千の花”と直訳されるこれは、
ガラスの棒の中に花を咲かせたような模様が切っても切っても同じように続きます。
金太郎飴状といえば解り易いでしょうか。

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こちらも同ガラス製品を代表する素材。
ザンフィリコ
こちらはムラーノのガラスの素材のなかでも非常に価値のある高級素材。
高価なものですので、残念ながら製作体験でのご使用は叶いませんが、
精巧な伝統ガラス素材をぜひ目近でご覧いただきたいものです。

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ここに記載したもの以外にも数種あり、
バラエティ豊富なガラス素材を知る貴重な体験でもあります。notes

素材の準備が揃い、これらのなかから好みの色や柄を組み合わせて、
各自の好みの大きさの型にはめ込んでいきます。

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ガラスを専用のはさみで切り、
色をバランスよく、そしてガラスの高さを変えながら型の内部を埋めていきます。
仕上がりは並べたガラスが溶けていくので、
この段階で置いたガラスの色や模様がそのまま見られることはまずありません。
これもでき上がってからのお楽しみ。

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ちなみに職人のピーノさんはこの段階で
仕上がりの柄のイメージが8割強は想像できているそうです。
あとの2割はやはり自然の力…。
職人にも予想のできない、これが面白いところでもあるんですね。notes

切り込んだ棒の隙間には砂状の素材を散らしたり、
透明なガラスを置いたりすることで、また違った仕上がりになります。

これらの説明はピーノさんと同店を守る奥様のカナエさんが丁寧に日本訳してくれます。
彼女ももちろんガラス製作に関わる職人さんの卵ですので、
ガラスに関する知識も深く、安心して日本語にてアドバイスを受けることができます。

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体験製作はこの時点で終了。
こちらがこの日に参加した敦さんの作品。

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こちらは奥様の真利江さんのもの。

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猫好きなので、現在ご新築中の新居の表札に猫のマークをつけるご予定なのだとか。
素敵ですね。notes

できあがったものは、このまま保管され、
次の窯に火を入れる際にまとめて窯入れします。
焼きも技術が必要ですので、ピーノさん自ら焼いてくれます。

そして、その後丁寧に梱包されて日本の指定届け先に郵送されます。good

製作時間は個人差もありますが1時間半ほどで作業が終わります。
それから窯に入れて最終仕上がりまでは約1か月~1か月半。
同店を訪れて日本に帰国されてから2か月ほどで製作物がお手元に届くことになります。happy01

気になる料金は、2013年春現在、
体験料20ユーロ(お一人様あたり)と金具の材料費となります。
ちなみに一番小さなメダル(ペンダントトップなどになるもの)が15ユーロ~となり、
そこに必要であれば金具やネックレス用の紐など、
オプショナルの代金と、日本への送料(送料もその場で確認できます)が加算されます。

製作前に、準備されている料金表を見ながらご相談なさるとよいでしょう。good
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体験された西山さんご夫妻、
伝統産業を体験できる稀な機会に触れることができ、
楽しい貴重な時間を過ごされて、とても満足のご様子。

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ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
スケジュール調整のため、ご予定の1週間ほど前までにご予約していただくとよいようです。
お問い合わせはお電話もしくはHP から。


L’Albero Venezia
Calle dell’Ospealetto castello, 6376/a - Venezia
Tel; +39.041.5236875
HP;http://www.alberovenezia.com


記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック

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