インドの日常 2025.06.26

インドの犬シリーズ 5.

これまで散々犬に噛まれた話をして皆さんを脅かしてきましたが、心を平静に保ち、犬を刺激せず、犬の生活空間を尊重すれば、犬も人も、お互いに穏やかに日々を過ごすことができるでしょう。

知らない犬にはこちらから近付かず、無視するのが基本です。
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その上で、野良犬と仲良くなる最短の方法は、やはり食べ物🍗でしょうか??
犬を無視し距離を取った状態で、食べ物のかけらを犬の近くに落としてみます。初めは少し警戒されても、犬が興味を持ったら、何個かかけらを落としているうちに向こうから距離を縮めてきます。こちらから近付かず、犬の目を直視しないことを心掛けます。危険がないと判断したら、徐々に向こうから近づき、手から食べ、触らせてくれ、仲良くなれるでしょう。

近付いて来ない犬、手から食べない犬、触らせてくれない犬には、無理強いしないことです。今日ダメでも徐々に顔見知りになり、明日には大丈夫になるかもしれません。

一方で、人好きで警戒心の少ない犬は、食べ物がなくても、気が向けば向こうから近付いてきて、直ぐに仲良くなれるでしょう。

ところで、皆さんは犬の「鼻ツン」をご存知でしょうか。
昨日、近所を歩いていると知らない犬に手を「鼻ツン」されたので、ご紹介まで。

「ねぇ、誰?」、「遊んで」、「かまって」、みたいな意味らしいです。仲の良い犬が私を見付けて追いついて、後ろから脚に「鼻ツン」されることが多いのですが、昨日は手に、犬の濡れた冷たい鼻が当たりました。振り返ると、1歳になっていない、若い、白に茶ブチの、可愛い犬でした。あらゆることに興味津々のお年頃。こちらが立ち止まると、匂いを嗅いで納得したのか、そのまま立ち去って行きました。次に会ったときは、もう少し距離が縮まると良いなと思っています。

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※写真の犬は別の「鼻ツン」犬です。



インドの野良犬は厳しい環境で生き抜くため、自分で観察し、考察し、慎重に行動するという意味で、頭の良い犬が多いなと思います。人の命令を理解し順うというような賢さではなく、人の命令が分かった上で状況を判断し、じゃあどうするかを考える賢さというのでしょうか。

個性が強く、一匹一匹に味わいがあり、仲良くなるにつれてその魅力に取り付かれること間違いありません!🤞🏼

ということで、インドの犬シリーズは一旦ここで終了です。また何か折に触れ、追加したいと思っています。お楽しみに!

インドの日常 2025.05.29

インドの犬シリーズ 4.

心を平静に保つ。😑 ←これが基本中の基本です。

そして犬を刺激しない、犬の生活空間を尊重する。つまり、
犬に近付かない。犬の目を見ない。犬の周囲で走らない。等々です。

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また、普段おとなしい犬でも、通常と違って、次の場合は特に注意する必要があります。

🐶食事中の犬は、食べ物を横取りされるかもしれないと警戒し、食べ物を守るために攻撃的になることがあります。

🐶母犬になると子犬を守るため、子犬が小さい間は一時的に噛み犬になる場合があります。

🐶同じ場所でも、人通りが少なく静かになったは特に、犬たちは自分の縄張りを意識し、侵入者に強く警戒します。

🐶犬同士が喧嘩している場合など興奮した犬は、敵味方や犬か人かの区別さえも付かなくなり、誰彼構わず近付いた者に噛みつく場合があります。

ここで一つ、非常に印象深い目撃談を紹介したいと思います。

ある夜、若い男の人が一人で道を歩いていました。そこはある野良犬たちの縄張りで、縄張りに入ってきた侵入者に気付き、警戒し、数頭の犬が吠えながらその男の人に近づいていきました。男の人はどうしたでしょうか?
慌てず騒がず、何事もなかったように、犬たちを完全に無視し、そのまま道をゆっくり歩き続けました。犬たちは、その人が自分たちに何ら危害を与えるつもりがないことを悟り、10秒も経たないうちに興味を失い、静かに解散していきました。

もしこの男の人が犬に囲まれ恐怖に取りつかれ、走りだしたり、腕を振り回したり、攻撃し追い払おうとしていたらどうなっていたでしょうか?状況は確実に悪化していたはずです。

そういう、状況が悪化したケースも目撃しました。。。その中から一つ。

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ある小雨の夜、サリーを着た女性が一人でメトロ駅から出て、駅の駐車場を歩いていました。そこには野良犬が数頭住み着いており、犬たちは縄張りに入ってきた女性に警戒し、女性に近付きました。女性はパニックになり、助けを求めて叫び、走り始め、そうすると、犬たちは女性を追いかけ、サリーの裾を引っ張り、女性はつまづき、サリーが絡まり水溜りに倒れました。幸いにも近くにいた人が駆け付け、犬たちを追い払いましたが、女性にとっては恐怖で、トラウマになったことでしょう。
私の目には、サリーを着た細身で上品そうな初老の女性で、犬たちに何か危害を加える気配もないと映ったのですが、犬たちの判断基準は違っていたようです。

怯えず、怒らず、心を平静に保ち、穏やかな行動をとることが大切です。

前出の若い男の人の例は模範行動として心に刻み、私自身、その後何度も犬が吠えながら駆け寄ってくる場面で、同じ様に犬たちを完全に無視し、そのままゆっくり歩き続ける、ということで噛まれることなく、何ら問題なくやり過ごしています。

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時には後ろから近付いてきた犬の歯が足首に当たるのを感じることもありましたが、一旦ゆっくり立ち止まり、何も反応しなければ噛まれません。状況を悪化させないことです。もし嚙まれたとしても騒がず攻撃し返さなければ、深追いされずに離してもらえるのではないかと思っています。
犬は吠えてみたり、嗅いでみたり、近付いてみたり、時には歯を当てたりして相手の出方を試し、観察します。人の反応をみて、その人への対応が変わるのです。

バイクやスクーターで走っていると追いかけてくる犬もいます。そういう場合は、直ぐに停止しそのまましばらく待って、犬がバイクに興味を失って注意が別のところに向いてから、ゆっくりスタートさせて去るのが鉄則です。スピードを出せば出すほど、音が大きければ大きいほど犬は興奮し追いかけてきます。

インドの日常 2025.05.22

インドの犬シリーズ 3.

犬に噛まれたら24時間以内に注射を打たないと、狂犬病になる可能性があると言われています。

病院に行ったら先ず傷口を、🧼薬用石鹼を使い🚿流水で5~10分ほど洗い流すように言われました。その犬が狂犬病かどうかに関わらず、犬の口内には沢山の細菌がいて、傷口が化膿することもあり、最初によく洗い流すことが大切なのだそうです。

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その後、💉破傷風ワクチン(十数ルピー)と💉狂犬病ワクチン(三百数十ルピー)を肩に打たれました。狂犬病ワクチンは噛まれた日から数えて3, 7, 14, 28日目にも、計5回打たれました。もし既にワクチンを打っていて有効期限内であれば、打たなくて良いか、または回数が減る可能性もあり、お医者さんの指示に従います。

傷口は消毒液ベタディン(ポビドンヨード液)で消毒し、包帯など巻かずにオープンにしておくように言われました。傷口を塞いでしまうと細菌感染が悪化してしまうらしいです。

因みに、あくまでもご参考までにですが、民間療法としては、、、🌶️🌶️🌶️チリパウダーを噛み傷に擦り込むのだそうです。路上に住んでいる知り合いは、「これまで何回か犬に噛まれたけど、注射を打ったことは一度もない。チリパウダーを擦り込めば良い。皆そうしてる。非常にヒリヒリするが、これで何か問題になったことはない。」とのことでした。。。🌶️🌶️🌶️

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このチリパウダー療法は、この知り合いからだけではなく、4~5人のインド人から別々に聞きました。インドには注射嫌いの人も多く、これまで一度も注射を打ったことはないと豪語する老人もいて、チリパウダー療法は結構一般的なのかもしれません(?)。推測ですが、犬は自己防衛で噛むという場合が殆どで、狂犬病にかかっている犬は極ごく稀で、狂犬病ではない犬に噛まれた場合、当然ながら狂犬病にはならない訳で、だから狂犬病ワクチンを打たなくても問題ない、ということなのではないかと思っています。推測です。

因みに私は、動物病院で獣医さんに「狂犬病だ」と言われた犬を2匹見たことがあります。
体調が悪いから心配で、と、ある初老のご夫婦が近所の野良犬をその病院に連れてきていました。獣医さんは診察台に上がった犬を見るなり、「狂犬病にかかっている。」と言いました。

凶暴で牙をむいて暴れ狂う、、、そういう犬を想像していましたが、その犬は少し顔がむくんでいるようで、口を少し開けて舌を出し、でも暑くてハァハァとしている様でもなく、動きが鈍く、ボーっとした感じでした。検査はしなかったのですが、獣医さんは、一日に何十匹と診察し、シェルターにいる百匹以上の犬を毎日管理し、これまで少なくない数の狂犬病の犬を扱ってきた経験で狂犬病にかかっていると分かるのだと言っていました。

もう一匹も同じような状態で、凶暴で牙をむいて暴れ狂う、、、というイメージとはかけ離れたもので、本当に狂犬病だったのか、素人の私には正直分かりません。



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2025.06
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