ヴェネツィアといえば言わずと知れた「サンマルコ広場」。ヴェネツィアの観光の中心地です。
小さく複雑に入り組んだ薄暗い小路を迷いながら進み、歩き疲れを感じた矢先に目前に急にパッと開ける明るい大広場。どんな人でも歓声をあげたくなるような見事な華やかな空間が広がります。
正面には輝くばかりのサンマルコ寺院がそびえ、かつてのヴェネツィア共和国のシンボルであるライオンの像が目にとまります。
広場を囲む回廊はみやげ物屋、宝石店、カフェ等々の商店が並び、その上の建物は庁舎として今もなお使用され続けています。
余裕があれば、1700年初頭に営業を開始したヴェネツィア屈指の老舗「カフェ・フローリアン」で優雅にティータイムなどもヴェネツィアの雰囲気を味わうのにはお勧めです。もちろんお茶代は他のカフェに比べると高~くつくのであしからず・・・。でも、内部の豪華な造りは一見の価値あり。当時の優雅な雰囲気を味わうことができます。 このサンマルコ広場、訪れた方はご存知だと思いますが、無数の鳩の大群が常に広場を行ったりきたり…。個人的にはこういう場の鳩の大群は苦手なので、こんな鳩の大群の下でお茶をゆっくり楽しむのは避けたいとも考えてしまうタチなのですが。
実はこの鳩の大群が最近もっぱらの話題となっています。
こういった観光地の鳩というのは、どこの国も例外なく、人間慣れしていて、えさをもらうのもお手の物。
繁殖力の強い鳩の急増で、サンマルコ寺院をはじめとするヴェネツィアの貴重な建築物が危機にさらされています。鳩の糞による害が問題となっているのです。
ヴェネツィア市ではこの鳩問題への対処として、年間25000羽の鳩の駆除を執行中。
広場で餌を与えているのは私たち人間で、それによって集まってきた鳩にはナンだか気の毒な話です。動物愛護の団体からクレームはこないのかとの心配もしてしまいますが、事態はことのほか深刻なようです。
私自身も最近訪れたサンマルコ広場で「やけに鳩が増えたなー」と感じたほどですから。
それにしても何か良い方策はないものかと考えさせられてしまう問題です。サンマルコ広場にお越しの際は、むやみに鳩に餌など与えないほうが、鳩の後生のためには親切なのかも?しれません。 少々話しは反れますが、水に囲まれたヴェネツィアは夏場は蚊がとても多いことも知る人ぞ知る実情。この困り者の小さな敵への対策として、何年か前のヴェネツィア市長は蚊を餌とする「コウモリ」を空に放ち、蚊の駆除にあたったとか。
記事&写真提供:特派員白浜さん