特派員記事 2007.10.23

アルベロベッロとトゥルッリの歴史についてごくごく簡単にお話しましょう。


町の歴史は15世紀後半に伯爵一族アクアビーバ家がアルベロベッロを含む広大な土地を手に入た時点まで遡ります。

当時深い森に覆われた未開墾のこの地を開拓するため、伯爵は周囲の町の農民達を好条件で募り、それに応じて集まった数十世帯がアルベロベッロの礎となりました。

その時代には国王に無許可で町を興す事はもちろん、建て物の建築さえも禁じられ、領土内の建築物には税金が課せられました。
16世紀半ばに伯爵は住民達に対してそれまでの耐久性に乏しい小屋から、より耐久性のある「石」を用いた住居の建築を認めましたが、もちろん国王には内緒。
国王に新しい建築物の存在を知られないようにするため接着材料の一切の使用を禁じました。これがトゥルッリ建築の始まりです。

王の視察団が領土内の建築物の調査に来る事を察知すると、伯爵は住民達に家屋を解体させ町から遠ざかるよう命じました。
接着剤料を使わず石を積み重ねただけで作られた住居「トゥルッリ」は一晩のうちに解体され、瓦礫の山と化しました。視察団が、町の存在に気付く事無く去って行くと住民達は再びこの地に戻りトゥルッリを再建しました。
伯爵はこのようにして国王から税金逃れをする一方、住民達には重税を課し、また住民を一切の権利を持たない「農奴」として扱うなど悪政の限りを尽くしていました。

伯爵の悪政に疲れた住民達は1797年国王に現状を直訴し、町を王の直轄領地にするよう要望しました。王は住民達の訴えに耳を貸し問題の解決を約束しました。
同年5月27日王の発令により町は国王の直轄領地となり約3世紀に亘るアクアビーバ伯爵一族の支配から解放されました。
同年8月町の有力者が、自由の象徴として初めてモルタルを用いた建築物を建てました。その建物が前回観光ポイントでご紹介したカーサ・ダモーレ です。

アルベロベッロの特派員:野口さんはこの町で観光ガイドとしてがんばっていらっしゃいます。
アルベロベッロの町、トゥルッリ、歴史など、更に詳しく分かり易く、個人旅行から団体ツアーまで様々な日本人観光客の方々にご案内しています。
ご要望などがありましたらお気軽にお問合せ 下さい。

同じテーマ「」の記事

もっと見る →

    コメントを投稿

    

    HIS イタリア支店

    2025.05
    loading...