特派員記事 2007.11.12

寒さもいよいよ本番。
夏時間から冬時間に変わり突然ぐっと冬らしくなりました。太陽が落ちるのが1時間早くなるだけで、こんなに雰囲気が変わるものなのかと毎年飽きもせず驚いてしまいます。
そんなちょっぴり感傷的な気分を吹き飛ばすかのように、この時期から徐々にイルミネーションが町を彩り始めます。

一年に一度の大イベント、クリスマスまで残り2ヶ月を切り、ウィンドウショッピングをする人々の目がだんだん真剣になっていくのが一目瞭然です!


ミラノのイルミネーション2ミラノ市長モラッティは今年、ミラノの町のイルミネーションを大改革しようと、去年の200.000ユーロに対して1.000.000ユーロという大投資を行いました。このミラノ市の大決断は、あるデザイナーのグループが、ミラノのイルミネーションがあまりにも貧弱だとミラノ市に抗議したことが発端。ミラノ市は今年、センピオーネ通り(Corso Sempione(センピオーネ公園側)、ファリーニ通り(Via Carlo Farini cimitero monumentale共同墓地側)、そして中央駅からチェントロ向かうまでの道筋にイルミネーションを新たに設置することに決め、さらに既存のものもさらに美しくするべく、パリのシャンゼリゼ通りのイルミネーションを手がけた会社に仕事を依頼したということです。さて、その成果はいかに?!



ミラノのイルミネーション1とはいえ、私は以前からミラノのシンプルなイルミネーションが大好きでした。特にブレラ地区の細い石畳の道にただ単純に渡された、数珠繋ぎになった色のついていない裸電球は大のお気に入りで、それを見たいがために夜出かけていくこともしばしばでした。道と道の間に長いパールのネックレスを延々とたゆませたような・・・。全く派手ではないけれど、見ているだけで温かくほっとした気持ちになれる、まさに「灯り」でした。どうかそれだけは変えないで!と思っているのですが・・・

ともかく、ミラノ市の威信をかけたイルミネーション大作戦!ミラノのセンスがここで問われます。ミラノは最近、他の世界の大都市に負けないような近代都市にしようとやっきになりすぎているのでは?と少し心配な今日この頃。その町がすでに持っている良さというのは外国人の方が気が付くものなのかもしれませんね。ぜひ、堅実でシンプルで洗練された、ミラノらしいイルミネーションになっていることを願っています。派手で目先の流行だけを追うような都市をめざすのか、それとも地に足をつけて一歩一歩必要なことだけを新しくしていくような都市をめざすのか。


ミラノのイルミネーション3ミラノを訪れるみなさんも、そんなことを頭の片隅に思いながら、新しいイルミネーションをご覧になられると、また別のミラノの顔が見えてくるかもしれません。今年はミラノのイルミネーションに大注目です!




記事・写真提供:特派員川西さん

同じテーマ「」の記事

もっと見る →

    コメントを投稿

    

    HIS イタリア支店

    2025.05
    loading...