



また、もう一方の『Galani/ガラーニ』も揚げ菓子のひとつ。四角い薄い生地を揚げて粉糖をたっぷりとかけたものです。
古いリチェッタ(レシピ)では、ラザニアの生地を甘くしたものを薄くのばして豚の脂で揚げたもの。現在のものよりもずっしりとした揚げ菓子だったと想像されます。
現代のリチェッタでは、小麦粉、卵、バター、砂糖を合わせた生地を薄くのばして口当たりも軽く仕上げます。最後にたっぷりと粉糖をふって見た目も美しいです。 このドルチェもこの時期、イタリア各地でよく見かけられるものです。
ここヴェネトでは『Galani/ガラーニ』と呼ばれますが、他にもLattughe/ラットゥーゲ、Crostoli/クロストリ(トレンティーノ・アルト・アディジェ州)、Chiacchere/キアッケレ(ロンバルディア州)、Frappe/フラッペ(ラツィオ州)、Sfrappole/スフラッポレ(エミリア・ロマーナ州)、Cenci/チェンチ(トスカーナ州)、Bugie/ブジエ(ピエモンテ州)等、各地で呼び名が変わります。
そして形も様々で、ヴェネツィア周辺で見られる『ガラーニ』は幅の広いリボンを切ったような形が正統。他地に行くと生地がもう少ししっかりしたものや形もひし形、クルリとねじったリボン状、結び目があるもの等いろいろあります。
カーニヴァルにつきもののこれらは、お祭りの華やかさと同時に少々早い春を感じさせる、伝統菓子たちです。
記事・写真提供:特派員白浜さん