ダンテも眠る教会として、毎日多くの観光客が訪れるサンタ・クローチェ教会界隈は、昔から革の専門店や工房が集まる地区としても知られています。
『アドリマル(ADRIMAR)』もその一角に所在する革専門の免税店です。
辛口の職人さんや住民も多いこの地区から、


ウフィッツィ美術館とベッキオ宮の間に伸びるVia della Ninna(ニンナ通り)。
観光客でにぎわうこの通りにフィレンツェ最古の教会跡があるのを、みなさんご存知でしょうか?
その大部分はウフィッツィ美術館建設の際に取り壊されてしまいましたが、現在でも両替店と革製品のブティックの店内に教会の一部を見ることができます。
ちなみにこの両替店、フィレンツェでイチバン良いレートで両替してくれると評判の店。
間口1メートル弱の店先に掲げられた、あやしげな日本語の手書き看板が目印です。
日本人が通るたびに「テスウリョー、ナシ!!」と叫ぶのは、オーナーのカルロおじさん。
ご機嫌の良い日は、「オー・ソーレ・ミオ~」と、歌のサービスも。
実にユニークな両替屋サンなので、換金の際には利用してみてください。
両替店 Via della Ninna 9R
営業時間 8:15~19:00
また、隣に軒を構えるのは、革製品のブティック「アドリマル」。
1000年前には教会の食堂部分だったという店内には、レンガ造りの壁、暖炉といった当時の面影がそのまま残されています。じつはこの食堂で、かのダンテも演説を行ったことがあるとか。
店内には、職人の手によるオリジナルの革製品をはじめ、ジュエリーやお土産品など、盛りだくさんの品揃え。一番人気は仔羊の革を使った、カラフルな手編みのお財布だそう。特に、赤・白・緑のイタリアン・カラーを使った色合わせは旅の記念にもピッタリの人気商品です。
アドリマル
Via della Ninna 7R
営業時間 9:30~19:00
電話 0552382665
ところで、皆さんはイタリアの子守唄をご存知ですか?
「ニンナ、ナンナ…」という歌い出しの子守唄、日本でいうところの「ねんねんころりよ…」と、いったところでしょうか? 実は、この「ニンナ、ナンナ」、この通りVia della Ninnaの名前の由来に大きくかかわっています。
かつてこの教会の裏(ちょうどこの通りに位置する)には共同洗濯場があったそうで、洗濯の最中、若い母親たちから子供を預かった子守の歌声がこの通りに響きわたっていたとか。そこからこのVia della Ninna(子守唄の通り)という名前がついたそうです。
たった100メートルほどの小さな通りに秘められた、1000年前の歴史の数々。ウフィッツィ美術館見学のあとに、ぜひ訪れてみてください。
記事&写真提供:アドリマル・スタッフ今井さん&杉原さん
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投稿: koji -2008年4月17日 (木) 07時46分
■生きているお話
こういうお話は、ガイドブックなどでは、なかなか知り得ない、本当に生きているお話だと思います。おじさんの歌を聞きながら、両替をしたお金で、この可愛いお財布買いたいですね。コメントも、ペタもあまり残しませんが、いつも楽しく読んでますよ!ヾ(@^▽^@)ノ -
投稿: his-rome -2008年4月18日 (金) 07時52分
■>kojiさん
いつもありがとうございます。コメントをいただいて日常に溶け込んでいるこういう話をもっと紹介できたら楽しいのかなと思いました。これからも多岐に渡る情報の提供を心がけていきますので、またお立ち寄りください。