特派員記事 2008.05.17

南イタリアで見かける珍しいものの一つに、カッルーバ(carruba)があります。


カッルーバの種2 「潰れた干しバナナ」のように見えますが、実は、マメ科の植物で、伊日辞書では「イナゴマメ」と表記されています。マメ科の植物は、草本植物が多いのですが、カッルーバは幹から出た枝、つまり木になる豆です。

原産はシリア北部、地中海沿岸など、柑橘系植物の栽培に適した地域で多く見られ、イタリアでは国内総生産量の大半がシチリア島で、その他、カンパーニャ(ナポリのある州)、プーリア、バジリカータ(マテーラのある州)、サルデーニャ島、ラッツィオ(ローマのある州)、リグーリア(ジェノバのある州)などで生産されています。


イタリアではオリーブと同時栽培される事も多く、花は小さな緑色、若い実はソラマメの鞘のように、綺麗な黄緑色をしていますが、熟すと表皮が茶色に変色します。

主な用途は食用で、人はもちろんhorse馬の餌としても利用され、また、常緑樹なので、clover観賞植物としても使えます。
食用として食べる場合、上下の固い部分と種以外は全部食べられるので、そのままかじりつきます。

独特な匂い…つまり、チョット臭いのと、木を食べるような食感に少し抵抗を感じるものの、甘くて美味しいので、一口食べればクセになります。heart04

カッルーバは、栄養価が高く、満腹感を与える働きがあるので、食糧が豊かでなかった昔は、子供達におやつ代わりに食べさせ、飽食時代の今は、ダイエットに利用されているそうです。

更に、カッルーバは女性を魅了してやまない「ある物」heart04と密接な関係があります。


カッルーバの種1
食べた後に残る「種」が持つ不思議な特性を利用して、ある事に利用されたのです。

何だか、なぞなぞのようになってしまいましたが、実は、このカッルーバの種、どの鞘から取れる種も、すべてがほぼ同じ重さ(約0,2グラム)という特性があります。
これを利用し、ダイヤモンドをはじめとする宝石類の重さを量る時に分銅として使われたのです。

イタリア語でcarato(カラート)と呼ばれるこの種、ギリシャ語のKerationが語源となっていますが、現在も使われている宝石の質量の単位を表す「カラット」は、この種の事を指しているのです。
つまり、10カラットのダイヤの重さは、カッルーバの種10個分の重さに相当します。
秤も無いのに、すべての種を同じ重さで産出するカッルーバ、自然界には不思議がいっぱいです。


記事&写真提供:特派員野口さん

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