ヴェネツィアの観光スポットのひとつでもあるリアルト橋は16世紀後半の建造物で、カナル・グランデに架かる最も古く美しい橋です。その橋の美しさはもちろん、橋上から見える景色の素晴らしさも一見の価値のある場所です。
この橋の中腹に一軒の土産物店があります。
土産物と一言でいい切りたくはないのですが、店名を直訳するとこうなるので。
店主のシニョーラ、ルミネ・ワンダLumine Wanda氏がつくる色彩の美しい皮を使ったノート、そして紙に関わる小物類(ペーパーナイフ、万年筆、絵葉書、等々)などを売るお店です。
小さな店内には、彼女の作品である美しい皮製のノートがびっしりと並んでいます。一見して判るそれらの質の良さ、センスの良さが光る品物が並ぶこの小さな店、橋を渡る観光客も店内の美しさに思わず足を止めるほど。
彼女はここで客の相手をしながら、製品作りも手がけています。この彼女の作業場は、店の奥にあるはしごを登った先にある屋根裏の小さな小さなスペース。
仕事場の小さな窓からは、カナル・グランデを行き来する船が見えます。
ここで、皮を裁断、ノートの部分となる紙の束を貼り付け、糸で縫い付け・・・と作業が続けられています。
使用される皮はトスカーナ産の仔牛の皮。柔らかくツヤが大変に良いものです。
自然のものなので、一枚一枚色合いが異なるため、できあがりの風合いはそれぞれに違うものとなります。また一枚の皮でも、箇所によりツヤが異なったり、毛穴があいていたり、とさらに状態も異なったりするので、ひとつとして同じものはできあがりません。
さらに、使われている紙は、予めノート状になっているものと、4枚の紙を8ページ分に畳まれた状態のものとがありますが、後者の紙はアマルフィ海岸産の高級紙。一枚一枚に透かしの印が入っており、手触りや色の具合がなんともいえずにいいものです。
この、アマルフィ産の紙をつかったもの、サイズは4種類で19ユーロ~84ユーロまで、普通紙はサイズ5種類、11ユーロから39ユーロまで、色のバリエーションも豊富です。
その他店内には、手頃でしかもセンスの良い小物類もたくさんありますので、お土産探しにお勧めです!
『RIVOALTUS』
S.Polo, 11, 30125 Venezia
Tel; 041. 5236195
記事&写真提供:特派員白浜さん