そろそろ春の気配が漂いだしたイタリア。
春らしいきれいなものが恋しくなりませんか??
小さな店内は色・色・色で溢れています。
ここは、夏はシルク、冬はニットとキルトの商品が所狭しと並ぶ玉手箱のような店。
寒い冬の主力商品はモヘアのマフラー。
くるりと巻かれ、ふんわりと置かれたそれらは、まるで毛糸玉。
見ているだけで暖かそう。
触ってみると更に納得、軽くて手の感触がとても柔らか。
そして注目すべきはその色のバリエーション。
黒~白、暖色~寒色まで、微妙な色の違いで棚は埋まっています。
ちょっと離れて正面から見るとまるで一枚の絵、または絵の具のパレットを見ているかのような美しさ。
同店オーナーの豊富な色バリエーションのこだわりから、この棚の配置は「樹」をイメージしているとか。
そして、マフラーと言っても単なるマフラーではありません。
両端は穴になっていて・・・つまり長い筒状になっているのです。
普通のマフラーのように首に巻き付けてもよし、その筒型を利用して頭からかぶり、タートルネックのようにしても使えます。保温性も十分。
さらにはこの一本に他色を重ね合わせ、クルクルと巻いてグラデーションを楽しむこともできます。
一本だけでも二本合わせても、好きな色の組み合わせで自分だけのオリジナルマフラーができてしまう、というわけなのです。
両手を広げるよりもさらに長い、という充分な長さも魅力で、何本でも持ち合わせたいと思うこと、間違いなし。
しかも安い!!1本12ユーロ。
そしてこれらに合わせる同素材またはキルト地のこれまた可愛らしいアクセサリー類なども充実しています。
これらマフラーは季節が変わるとシルクに切り替わるのですが、これもまた色の鮮やかさは圧巻もの。
そして、年間を通じての定番商品のもうひとつがこれまた美しい色のシルクのショール。
肩からすっぽりとはおるものですが、肩のラインが美しく見えることを想定した立体構造に加え、前面にくる結び目も美しく演出できるように作られています。
これらが自分で簡単に仕上がるように工夫されているなかなかニクい優れもの。
畳むと平たくなるショールは一枚68ユーロ。
他には、オーナーの旦那様の作品であるムラーノのガラスを使ったアクセサリー類、バッグ類(40ユーロ前後)、帽子(35ユーロ前後)なども同じくカラフルに取り揃えられていて、あれもこれもと目移りしてしまうのです。
場所はサンタ・マリア・デイ・フラーリ教会の正面にある小さな橋を渡り、ソットポルテゴ(sottoportego)をくぐりぬけて道なりに、付きあたりを左側に曲がった数軒目の小さな店です。
『ANATEMA』
San Polo 2603 zona Frari Venezia
Tel/fax; 041.5242221
記事&写真提供:特派員白浜さん