ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナーは
言わずと知れた世界的な音楽家の一人。
特に歌劇が有名でロマン派歌劇の真髄を形成したことで知られています。
1813年ドイツ、ライブツィヒ生まれの彼は
1883年にヴェネツィアで没しています。
その最期に住居としていたのが、
現在のカジノのある建物にある一画なのです。
建物自体は1500年代前半の建物だとされていますが、詳しいことは解っていません。
1500年代後半には、その当時、鐘楼を始めとするサン・マルコ寺院付近の有名な建物を建築したことで知られている建築家サンソヴィーノが、「ヴェネツィアで最も美しい建物のひとつ」
として賛美した、と言われています。
1544年以降、当時の有力貴族のカレルジ家によって買い取られ、建物は改築・増築されて現在の姿に近いものになりました。
その後1700年代に入りカレルジ家が途絶えた後、ヴェントラミン家の所有となります。
ちなみに現在同建物は、両家の名をとり、ヴェンドラミン・カレルジ邸Palazzo Vendramin Calergiと呼ばれています。
さらには1840年、フランス王シャルル10世の次男の妃マリー・カロリーナ・ド・ブルボンの所有となりますが彼女の死後はまた所有者が変わっています。
ワーグナーはここを1882年9月より一年契約にて建物の一部を彼の親族や使用人、また来客に備え、28室を借りていました。
彼が亡くなったのは1883年2月とされていますので、契約期間も満たない、ヴェネツィアに居を構えてからわずか半年たらずで亡くなったことになります。
現在は、1992年2月13日(ワーグナーの命日)に発足したヴェネツィア・リヒャルト・ワーグナー協会によりこのワーグナーの居住部分の保存と定期コンサート、国際会議などの活動が行われています。
部屋には彼が使用したオリジナルの家具やピアノなどはもうないものの、当時を偲ばせる調度品、ピアノ、彼の自筆の楽譜のコピーなどが展示されています。(内部は撮影禁止)
ここの訪問はイタリア語、
英語、フランス語の
ガイドつきでなんと無料。
現在のところ、毎週木曜日の午後と土曜日の午前中に受け付けてもらえます。
ただし、その日の状況に応じては不可能なこともありますので、必ず前日に電話予約をして確認後、予約の時間に現地に集合
その後カジノやコンサートホールなどの公共の場所とは別の方向へと導いてもらえます。
インフォメーション;
Tel.+39.338.416.4174
arwv@libero.it
記事&写真提供: 特派員 白浜亜紀 こちらもチェック!!