その名も「いいなずけ/婚約者」。
普通の(と言いきっていいかどうかは疑問)イタリア人に「プロメッシ・スポージpromessi sposi」というとアレッサンドロ・マンゾーニの作品のことが頭に思い浮かぶところ。
経営者が何度も変わった変移のある店(まあ、よくある話)なのですが、
なんでも初めに立ちあげた経営者2人が
その当時、両者どちらもが「いいなずけ」ができたばかりだったことから、
この小説作品からその名を冠したとか。
そして、現在もここはヴェネツィア特有の典型的スタイルのオステリア。いわゆる「バーカロ」。
入口にバンコ、つまみ(チケッティ)が並び、夕方からは「一杯飲み」が始まります。
これらのつまみも同店のものは美味しいと評判。
が、ここで着席して食べるとなると、
これまた美味しい皿にありつけるということで、
ヴェネツィアのオステリアとしてははずしたくない一軒。
日替わりで季節のメニューがいただけ、
もちろんヴェネツィアでは定番の魚介中心の伝統料理も常備しています。
そして、この規模のオステリアにしては珍しい、手打ちのパスタ・フレスカが食べられる貴重な店でもあるのです。
この日のパスタ・フレスカはマルタリアーティmaltagliatiと呼ばれる、卵入り生地を不規則に切ったもの。
旬のグリーンアスパラとともに。
耳たぶの形をしたオレキエッティは仔羊のラグーで。
イカすみを練り込んだまっ黒いカヴァテッリcavatelliはマグロとオリーヴ、カッペリを合わせて。
そして他テーブルに次々に運ばれてくるイカスミのパスタやスパゲティ・ボンゴレなどの定番も盛りもよく、普通に美味しいのが大きな魅力。
この店のこれらの定番は一度は味わうべきものだと思います。
セコンドには魚料理、肉料理ともにバランスよく用意されています。
写真はイカのトマト煮こみseppia in umido。
順序は逆になりますが、これはアンティパストを盛り合わせてもらった一皿。
旬の野菜のグリルや小イワシのマリネ、サルデ・イン・サオルなどが盛られています。
そしてボンゴレ(アサリ)とコッツェ(ムール)。
店内は落ち着いたテーブル席もありますが、
夏場は屋外につくられたテーブル席でそよ風にふかれながらの食事も気持ちがよいものです。
お会計にはカードは使えないのでご注意を。
La Bottega ai promessi sposi
Calle dell’Oca 4367 Cannaregio, Venezia
Tel; 041. 2412747
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック !!
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投稿: イタリア食材のエキスパート:ベリタリア -2010年7月28日 (水) 16時54分
■情報ありがとうございます
ベネチアは観光客向けの高いお店が多いのでこういった地元情報はありがたいですね。今度ベネチアに行ったときには是非訪れてみます。 -
投稿: his-rome -2010年7月30日 (金) 16時47分
■Re:情報ありがとうございます
>イタリア食材のエキスパート:ベリタリアさんイタリアに住んでいてもヴェネツィアのおいしいお店はなかなか見つけられないので、現地の情報が本当にありがたいです!