ジャンドゥイオットといえば、ピエモンテ州トリノ発のチョコレートとして今ではあまりにも有名。
金色の紙に包まれたいびつな三角形をしたそれは、カカオに同地特産のヘーゼルナッツを加えた濃厚なものです。
1865年にチョコレートメーカー、カッファレルCaffarelがトリノの展示会で発表したことで一躍有名になりましたが、当初は、ナポレオンの統治の時代、アフリカからのカカオの輸入が抑制され、カカオ豆が非常に高価で品薄になったことから、カカオ豆に特産のヘーゼルナッツを練る込む他ことによって、カカオを少なく美味しいチョコレートをつくる、ということが目的でできあがったもの。
三角形のその形も当時のまま。
手でつくられていたいびつな形が、今でも手作りの名残で残っています。
今回紹介するのはヴェネツィア・ザッテレにあるジェラテリアの同名名物メニュー。
地元人にも大変によく知られたジェラテリアのひとつ。
創業70年ほどになるこの店の名物は、たっぷりのホイップクリームと、ジャンドゥイオットテイストの四角いバーになったジェラートを盛り込んだもの。
写真のものは持ち帰り用で2.8ユーロ。
いわゆるバーチbaciといわれるジェラートを四角く固めたものにホイップクリームを組み合わせたもの。
ちなみにバーチとは、「キス」という意味ですが、イタリアの有名なチョコレートメーカーであるペルジナの代表商品である、ヘーゼルナッツ入りのチョコレートです。
各地のジェラテリアでも、このテイストを見かけることは珍しいことではありません。
座って食べるとガラスのグラスに盛られてくるものですが、この紙コップのほうが風情があって個人的には良し、と思っています。というより、これより大きなグラスに盛られてくるこれを平らげるのは、この甘さだからゆえ、結構な困難を要するように思のです。
ここは、もちろん普通のバール使用的な場所でもあり、店先では普通にジェラートも購入可能。
1テイスト1.2ユーロから。
このジェラテリアのあるザッテレは、ヴェネツィアのなかでも最も長い運河・海沿いの道(ヴェネツィアではフォンダメンタと呼ぶ)として知られる場所。
夏の時期は水面からの反射に目が眩むほどのまぶしさ。
冬は海から吹く風がもの凄い場所でもあります。
Gelateria Nico
Dorsoduro 922, Venezia
(ヴォポレット停留所ザッテレZattereすぐ前)
Tel, 041 5225293
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック