ニュース 2010.10.31

ヴェネツィアのひっそりとした小さな路地にある、間口の小さな薄暗い店。
同店店主は生粋のヴェネツィア人、ジャンニ・バッソ氏

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40年ほど前からこの地で活版印刷業を営んでいます。
今ではもはや珍しいであろう手作業で行われている殖版・印刷屋です。

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店となる工房内は古くて美しい印刷機と版、壁には活字、製作物及びサンプルがびっしりです。

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アンティークなこれら印刷機は、19世紀のドイツ製のものなど。
今なお現役のこれらの道具類は、現在のデジタル化の流れに押され、廃業する業者などから買い受けたものだといいます。

これら印刷機はもちろん、その他300年も昔の木版や、美しく精巧な銅凹版画版。

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そしてなんとピノッキオの原画とその原銅版がこの部屋のいくつもある引出のうちのひとつに保存されていて、もちろんこれらも現在使用されているものなのです。

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彼曰く、ここは印刷博物館。
展示博物館ではなく、稼働している博物館。
まさしく生きている博物館といえるでしょう。notes

こんな機械を使ってできる彼の手がける印刷物は独特の”味”があり、世界中の数多くのファンを魅了しています。
依頼を受けるのは、オリジナルの名刺、カード類、エクス・リブリ(Ex Libri)と呼ばれる蔵書票など。
そしてそのほとんどがリピーターとなるのも、彼のつくる素敵なデザインを見れば納得です。happy01

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ヴェネツィアは元来、印刷・出版業が発達した土地柄。
その主な理由としては、ヴェネツィア共和国という独自の自治国家を創りあげたゆえ、思想や言論を抑制されていたローマとは一線を画していたこと、そしてヴェネツィア自体が自ら生産する産業に乏しかったことから印刷業はひとつの産業として発展したことなど、同地ならではの地理的・歴史的背景があります。

そんなヴェネツィアには18世紀にトルコの迫害を受けたアルメニア人が流れ着いたサン・サテロ島という小さな島があり、そこの修道院内において宗教書をはじめとした印刷・出版活動がなされていたのです。

彼は15歳の時にそこで印刷技術を学び、そのおもしろさに魅入られ、28歳でヴェネツィア本島にて自分の工房を持ち、現在に至ります。
ここ最近、大学を卒業したばかりの彼の息子さんが店を手伝い始めたというので、ぜひこの店がいつまでも存続することを願いたいもの。heart04

実は、同工房、もうすでに日本のガイドブックなどには数多く紹介されている、知る人ぞ知る名店です。
そのため日本人の客も珍しくはありません。彼らのなかにはここで名刺をつくるためだけにヴェネツィアを訪れる人もいるとかいないとか。

名刺は名前や必要情報に加え、バッソ氏のアドバイスを受けながら様々なデザインを加ていきます。個人的なお勧めは、ヴェネツィアのシンボルである黄金のライオンの背景にある真紅色。ロッサ・ヴェネツィアーナという独特の真紅です。

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貴方だけのオリジナル名刺、ヴェネツィアの記念にいかがですか
日本への発送も可能です。



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Gianni Basso Stampatore
Cannaregio, F.Nove, Calle del Fumo, 5306, Venezia
Tel;041.5234681
営業時間
月~金曜 9.00-13.00 14.00-18.00
土曜 9.00-13.00




記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック

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