ヴェネツィアとコーヒーの関係は深く、ヨーロッパのコーヒーの歴史の始まりはヴェネツィアの商人により東方貿易によって持ち込まれたものだとされています。
16世紀にヴェネツィアの総督お付きの医師により、エジプトからコーヒーを持ち込んだことが始まり。当時は医薬品の一部として使われていました。
ヴェネツィアがヨーロッパにおけるコーヒーの先駆者として言われる所以は、
そのコーヒーの香りを楽しむための嗜好品として用いたことによります。
“黒い水”であったコーヒーをそれの持つ独特の風味を“香り”と称したのはヴェネツィア人が始まりといわれています。
ヴェネツィアはヨーロッパにとって
東洋からの玄関口としての機能を果たしていましたから、
コーヒーをはじめ、東洋からの数多くの産物は
イタリア各地へ普及したのはもちろんのこと、その後は中央~北ヨーロッパへと渡り、
ヨーロッパの多様な文化の原点がこの地ヴェネツィアにあるとされています。
そして、いわゆるコーヒー店(ボッテガ・アル・カフェBotteghe de cafè)が形態化したのもここヴェネツィアです。
ここで紹介するのは、その名も『ヴェネツィア・カフェ』。
ヴェネツィアの島内に数あるカフェのなかでも珍しい、
注文をうけてから豆を挽き、その挽きたての新鮮な香りを提供してくれるのです。
縦に長い店内に入ると、
店内いっぱい、コーヒーの芳香に包まれています。
そして品種別にずらりと並んだコーヒー豆。
アラビカ、ブラジル、ジャマイカ、グアテマラ、エチオピア、ケニアなど産地・品種を選び注文します。
値段はオリジナルブレンドが一杯1ユーロからジャマイカ産の4ユーロまで。
店内の黒板に表示がされていますので、これを参考に注文されるとよいでしょう。
場所はカステッロ地区、サンティ・パオロ・エ・ジョヴァンニ教会から近い場所にある、
比較的観光客の通りの少ない場所です。
目印はヴェネツィアの旗。
真紅のヴェネツィアン・ロッソに金の獅子の描かれた旗が目印です。
店内ではコーヒーを淹れる器具も販売されています。
ぜひ香り高いコーヒーをくいっと一杯飲みに足をお運びください。
『Venezia Caffè』
Castello 6661/A, Venezia
Tel; 041.2960183
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック