観光 2012.12.01


とある秋の日、


ローマから列車とバスを乗り継いでアッシジへ。


山の中腹にあるこの小さな町はもう冬の気配。






この辺りで採れる淡いピンクの石で作られた町は


何だかほわっとした空気に包まれている。


町の中は、隅々まで清掃が行き届いていて


とっても気分がいい。



H.I.S.イタリア支店 ♪カプチーノ天国♪



せっかくの旅行だからと出発前に一夜漬け。


アッシジ出身の聖人、サン・フランチェスコに


ついての本を読みました。



彼は町一番の裕福な家に生まれ、持ち前の


明るい性格と気前のよさでいつでも町の人気者。


集まる人々にお金をばらまき豪遊する事も。


ところがある日天啓を受け、裕福な生活も


家族も何もかも投げ捨てて無一文の生活へ。


すごいなぁ~、どんな人だったんだろう?


とっても興味がわいてきてもっと調べたかったけれど


明日は朝一番の出発。早く寝なきゃ!



H.I.S.イタリア支店 ♪カプチーノ天国♪



最初に出会ったのがサンタ・キアーラ教会。


わっ、大きいし綺麗。でもとってもシンプル。


このかわいらしい色合いの石を使ってるから


立派に見えるんだろうな。



サンタ・キアーラはサン・フランチェスコの


弟子になった一番最初の女性。


フランチェスコの生き方に感銘した彼女は


やはり裕福であった彼女の家から抜け出し


女性でありながら彼と同じ貧しい生活をおくり


最後まで彼に無償の愛を捧げて生きたそうです。


慎ましく愛らしい女性であったと想像できる


彼女らしい教会です。



H.I.S.イタリア支店 ♪カプチーノ天国♪


H.I.S.イタリア支店 ♪カプチーノ天国♪



サン・フランチェスコ聖堂。


ひなびた感じを思い描いていたからかなり意外。


内部にも素晴らしいフレスコ画があります。



ボロをまとい裸足で歩き、何の欲も持たずに


人の嫌がる仕事を喜びと感じ、ただただ


愛と平和だけを説き、托鉢でその日を暮らした


サン・フランチェスコ。



乞食のような彼からは、当時の友は去り


人々は気違いと笑いさげすんだ。


それでも、彼の生き方こそが本来のあるべき姿と


生活をともにすべく集まった幾人かの弟子達が


彼を支え次第に大きな団体へなっていきました。



この「何も持たない者」達が暮らしていた洞窟が


町から4kmほどの山中にあります。


今は暑くもなし、体力もある、タクシーには乗らず


一時間ほど歩いて訪問。


H.I.S.イタリア支店 ♪カプチーノ天国♪


この建物は後から作られたもの。


当時はカルチェリと呼ばれる土がむき出しに


なった洞窟でした。


あちこちにある小さな洞窟はまるで牢獄のよう。



ここで、裸同然でお腹をすかせて暮らしていた


彼らがしあわせであったと信じられますか?


とても申し訳なくて、観光気分で写真を撮る事は


できませんでした。



持っているということから解き放される開放感。


失うことに怯える必要のない安心感。


欲求を持つことのない満足感。



何年か前、日本でも断捨離って言葉がはやりました。


お金さえ出せば何でも手にする事ができるこの時代に


現れるべくして現れ、もてはやされた言葉でしょう。



私も昔は「捨てられない女」だったけれど、何度か


引越しを繰り返すうちに自分の荷物の80%は


使わないものだと気付きました。


だから、不要なものを買わないようにはなったけれど、


何もない生活はできません。


不安を感じずには過ごせません。



H.I.S.イタリア支店 ♪カプチーノ天国♪

H.I.S.イタリア支店 ♪カプチーノ天国♪


カルチェリから町まで戻り、列車の時間を気にして


駆け足で坂道を駆け抜けた。


どうしても、もう一度見たかった聖堂。


昼間見た立派な聖堂も、夕方は違う顔。



力を持ちすぎてしまった教会は彼の祈りとは


違った方向へ。


悲しい気持ちで教会から去ったサン・フランチェスコ。


彼の生き様をあちらこちらで感じる事のできるこの町を


淡いピングの光が優しく包んでいます。



何も持たない幸せを、ちょっとだけ感じてみませんか?



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    • 投稿: Akiaki -2012年12月 2日 (日) 07時16分

      ■サンフランシスコ
      私もこの夏にママが行きたい!!!行きたい!!!と言うので、行く前にお勉強してアッシジに行きました!!!!!!同じくサンフランシスコとキアーラに感動して、心があらわれ、質素である事が美しいと思いました。。かと言って、物に囲まれている私ですが、心をもっと鍛えなければ!!!と思います、アッシジに行く機会を作ってくれたママに感謝です。どこをきってもサンフラン チェスコの金太郎飴みたいな街。。と岡本太郎が書いていましたが本当にサンフランチェスコの愛を感じる素敵な小さな町です。giottoと言う、テラスの広いホテルがお気に入りです。このテラスから見るウンブリアの素晴らしい事!!!サンフランチェスコ聖堂の側にあります。私もアッシジ大好きです。

    • 投稿: his-rome -2012年12月 2日 (日) 14時49分

      ■Re:サンフランシスコ
      >Akiakiさまマンマの一言でアッシジまで足を伸ばせるAkiakiさまさま。旅慣れていらっしゃるのですね。余りにも物があふれて物質的に満たされながらも、心が虚しい現代。マンマの願いを叶えてあげた、のではなく感謝の気持ちがあふれる文面に私も幸せな気持ちです。素敵なコメントをありがとうございました。

    • 投稿: Miki -2012年12月 4日 (火) 15時49分

      ■無題
      数年前、Nataleの時に行きました。presepioがとても大きくて立派でした。丘の上まで続く街灯はある日本人が援助し設置したとか…

    • 投稿: his-rome -2012年12月13日 (木) 13時54分

      ■Re:無題
      >Miki様コメントありがとうございます。ローマでもあちらこちらの教会でPRESEPIOがお目見えとなってきました。24日の夜にキリストが現れるのが楽しみです。コメントを頂いてアッシジの街灯について調べてみましたが、とうとう探せませんでした。PCで何でも調べられる時代ですが、そこへ行かなければわからない事もまだまだあるのですね。また、必ず行きますのでその時はじっくり散策してみます。

    

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