冬の大イベントであるヴェネツィアのカーニヴァル。
2013年は1月26日から2月12日まで。
カーニヴァルはキリスト教の行事であるので、
この土地特有の、というものではもちろんありません。
が、ヴェネツィアのそれは、
仮装した人たちで溢れかえり、
そして特に中世の時代の服装で着飾った人たちが街を練り歩くという
独特の光景が見られることで大変に有名です。
昨年2012年のサンマルコ広場。
このような仮装の人たちが多く集います。
同期間中は世界中からこのイベントに参加する人で
大変な混雑となりますが、
カーニヴァル開催前の今の時期は
そのお祭りに向け、街は小休止のような状態。
クリスマスと新年を迎えた後、
カーニヴァルまでの期間が
ヴェネツィアで最も観光客の少ない期間ともいえ、
一年のうちで稀にみる静かなヴェネツィアを感じられます。
この時期にまとめて休む店も少なくありません。
混雑時は人でいっぱいになるリアルト橋の階段も人気もまばら。
ただし、橋の上から見る風景に変わりはありませんね。
さて、この静かな街で
今カーニヴァルの到来を確実に感じさせるものがこれ、フリッテッレです。
年が明けると街じゅうのお菓子屋さん、パン屋さんでは
一斉にこの揚げ菓子が店頭に並びます。
丸いドーナツのようですが、
生地の発酵が独特なため、
食感が普通のドーナツとは異なるところがその美味しさの魅力。
中身は一般的にザバイオーネまたはカスタードクリームが主流ですが、
ヴェネツィア独特のものは、
生地に松の実と干ぶどうを一緒に練り込んだもので、
特にヴェネツィアーナ(Venexiana)と呼ばれています。
その他、この時期のお菓子としては、
長方形に切った薄い生地を油で揚げた
ガラーニGalani(地域によって呼び名が異なります)、
フリッテッレがもっと小さくなって
栗の実(カスターニャ)のように見えることから
そう呼ばれるカスタニョーレcastagnoleなども見られます。
ヴェネツィアじゅうどこでもこれらは味わえますが、
やはり地元の人たちのご贔屓店というのがいくつか挙げられます。
そのなかで個人的にもお勧めなのが、こちら、『Tonolo(トーノロ)』。
同店のクレーマcrema(カスタードクリーム入り)のフリッテッレは特におすすめ。
普段から混雑する小さな店内は、
この時期フリッテッレを食べにくる、
または持ち帰り用に購入する人たちで溢れかえります。
その場で食べるのであれば、
カウンターの店員さんに頼むと
ひとつだけ紙ナフキンに包んで手渡ししてくれますので、ぜひお試しください。
Pasticceria Tonolo
3764, Dorsoduro (Calle de San Pantalon), Venezia
Tel; 041 5237209
さて、カーニヴァルの期間中には様々なイベントが開催されます。
特に人出の多い週末にはサンマルコ広場を中心に、
興味深いプログラムが盛沢山。
この時期にヴェネツィアを訪れる方は、
公式ホームページ(イタリア語/英語)で、
日々のイベント情報などをご確認されると百倍楽しんでいただけると思います。
●ヴェネツィア・カーニヴァル公式ホームページ
●各日のプログラム内容
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック