イタリア語ではカルネヴァーレと発音されるカーニヴァル。
ヴェネツィアのそれは、
世界各国から集まる仮装をした人々が練り歩くことで知られていることから、
観光業をメインとするヴェネツィア本島にとっても
色々な意味で非常に大切な行事のひとつでもあります。
カーニヴァル本来の意味は、「謝肉祭」であり、宗教的行事のひとつです。
復活祭(パスクア/イースター)の46日前からパスクア前日までの期間、
食事の聖節や祝宴の自粛の時期にあたる「四旬節」の前の期間行事のことを指します。
キリスト教の国のうち、
どの国も期間は1-2週間ですが、
最終日は必ず「灰の水曜日(メルコレディ・デッレ・チェネレ)」
前日の「肥沃の火曜日(マルテディ・グラッソ)」というのが決まりです。
ヴェネツィアのカーニヴァルに仮装が欠かせないのは、
小さな敷地のヴェネツィア内、
この期間には商人も貴族も庶民も全てが階級を取り除いて祝宴を、というのが始まり。
今年のヴェネツィアのカーニヴァルは1月26日から2月12日の18日間で会期が終了しました。
期間中はサンマルコ広場を中心に例年通りに様々なイベントが催されました。
特に会期最後の週末の人出は多くなることも例年通り。
サンタルチア駅からサンマルコ広場に続く道は歩くのも大変な人混みとなります。
特に例年最高の人出となるカーニヴァル最後の日曜日、
今年は14万もの人がヴェネツィアを訪れたと記録されました。
ヴェネツィアの列車の玄関口、サンタルチア駅前では、
顔のペイントのサービスがあります。今年の相場は8-10ユーロ。
そして、メイン会場ともいえるサンマルコ広場は仮装をした人、
それを見に集まる人でごった返します。
様々な仮装の一部です。
仮装の中心は中世の貴族に扮した人々。
そして派手な妖艶な扮装をした人。
やはり見応えがありますので、これらの人の服装をカメラに収めようとする人で
仮装人の前は即席カメラマンでいっぱい。
天気が良いと写真の取り甲斐もあります。
それらの人々。
こんな様子です。
こちらはサンマルコ広場に面する老舗カフェにて開催された仮装パーティの様子。
この一画だけは特にタイムスリップしたような雰囲気です。
貴族の衣装の他、こういう仮面はヴェネツィアの伝統もの。
もちろん、このように、見るからに高価な衣装はレンタルであったり、
またはプロの道化師であったりします。
その他、着ぐるみ風のものを身にまとったり、
思い思いの扮装をする人またはグループ等々。
現代のカーニヴァルは参加する人が皆、このお祭りを楽しむ、
というのが目的となり得るのでしょう。
こちらは道すがら、文具メーカーの絵の具を身にまとったグループ。
12色あります。
街角では、ビートルズに扮したパフォーマンス。
通行人にはかなりウケていました。
サンマルコ広場の特設会場。
日々様々なイベントが催されましたが、
写真のこれは毎年行われている仮装コンテストなるもの。
こちらは観光客よりも地元人に親しみのあるサン・ポーロ広場。
毎年恒例となりましたが、屋台やスケートリンクが設置され、
子供たちの楽しみの場所にもなっています。
実は、カーニヴァル最終日とその前日の2日間は、
ヴェネツィア(イタリア北部)は大雪とさらには最高潮位143㎝という記録的なアックア・アルタとなってしまいました。
自然現象ばかりには敵いません。
最終日は午後から天気も回復。
今年も無事に幕を閉じました。
さあ、カーニヴァルが終わるとヴェネツィアにも春の到来です!!
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック