エミリアロマーニャ州モデナにあるパルミジャーノ・レッジャーノの工場見学に行ってきました。擦ってパスタにかけても、そのまま小さく砕いてワインのお供としていただいても大変美味しいイタリアチーズの王様と言われているあのチーズです。
ガイドによる英語ツアーは要予約で、一人5ユーロ。ツアー時間はおよそ1時間弱でした。
棚に並べられ熟成中のパルミジャーノ・レッジャーノ
まずは、最初の製造工程である牛乳の混合作業機です。前日の夜に絞った牛乳と、その日の朝に絞った搾り立ての牛乳をこの機械で混ぜ合わせ、熱を入れて冷ましながら固めていきます。ということで、この作業を見ることが出来るのは午前中のみです。この日は午後3時からのツアーに参加したので、機械を見ながら説明を聞きました。是非午前中のツアーをお勧めします。
その後、カードと呼ばれるある程度固まったチーズを布にくるんで下の白い容器に移します。上に重しを置いてここで徹底的に水分を抜きます。この作業は1日3回新しい布に交換し上下をひっくり返します。結構重いので重労働ですね。下の写真はこの朝作ったパルミジャーノ・レッジャーノを夕方に布の交換作業と上下のひっくり返しをしているところです。まるで赤ちゃんのおむつを交換しているように見えました。1日立つと、水分が抜けて約10センチくらい高さが縮むそうです。
翌日に、パルミジャーノ・レッジャーノの形をした容器に移します。
この時点で、チーズの周りに文字型を付けていきます。これで見ただけでパルミジャーノ・レッジャーノだという事と製造年月が分かるようになります。
その後、20日程塩水に付け込みます。まるでチーズのスパ。
塩水スパが終わると、棚に並べて自然熟成させていきます。圧巻です。見渡す限りパルミジャーノ・レッジャーノ!!感動しますね。この地方を襲った2012年の地震では棚が潰れ大損害が出たということで、現在はこの棚も耐震構造で出来ているようです。
この熟成工程でも、毎日上下をひっくり返してバランスを取るということですが、この工場は、機械でこの作業を行っています。高い長いこの棚を機械が動き、一つ一つひっくり返していくのを見てみたいですね。
そして、パルミジャーノ・レッジャーノとして世に出る前に、検査員の認定検査を受けることになります。検査員が木槌で一つづつ叩いて音を確かめるだけでチーズの良し悪しが分かるそうです。ここで合格したものは認定スタンプが押されていきます。不合格だったものは、側面に入れたパルミジャーノ・レッジャーノの文字の上に取り消し線を入れられるので、生産者にしては緊張する行事でしょうね。ただ、検査に合格しなかったものも、パルミジャーノ・レッジャーノの名は名乗れませんが、十分に美味しいチーズだということです。
ツアーの最後にテイスティングが用意されていました。左から12か月、18か月、22か月、30か月熟成させたものです。お味の方は、正直全て美味しいと思いましたが、熟成期間が長いものの方が、旨みが増している感じがしました。
このテイスティングをする場所がショップになっていて、近所の人も買い物に来ています。パルミジャーノ・レッジャーノの他、リコタチーズ、ヨーグルトやハムなども販売していました。