フィレンツェの復活祭の一大イベントは「スコッピオ・デル・カッロ」。
由緒正しい山車に爆竹&花火を仕掛けてバチバチドカンと大騒ぎする宗教行事です。
毎年復活祭当日にフィレンツェのドゥオーモ前で繰り広げられるお祭り騒ぎは、第1回十字軍の時代に由来する、実に歴史のある伝統行事なのです。
1097年に総司令官ゴッフレード・ディ・ブリオーネに率いられた第1回十字軍は1099年にイエルサレムに到着し、聖地解放。このとき十字軍に仕えていたフィレンツェ出身のパッツィーノ・デ・パッツィが聖地の城壁に誰よりも早く駆け上ったことを称えて、総司令官が「聖なる棺」のかけらを三つパッツィーノに褒美として渡したといわれています。
このときの褒美の聖棺の欠片は今でもフィレンツェのサンティッシミ・アポストリ教会に大事に保管されています。
聖地解放を記念して復活祭目の土曜日に「祝福の火」を人民に分け与えたといわれており、その日を熾すために使われたのが聖棺の欠片だったともいわれています。その名残が爆竹&花火を仕掛けた山車としてフィレンツェに残っています。その証拠にこの山車にはちゃんと「パッツィ家」の紋章が刻み込まれています。
古式仮装行列や旗振り隊に先導されて、白いキアーナ牛4頭に曳かれた山車はドゥオーモ前に設置されます。
そして11時のミサを合図にドゥオーモ内からハリボテのはとが飛び出して山車に点火。約15分の花火ショーが繰り広げられます。
このハリボテのはと(コロンビーナ)が勢いよく飛び出し、点火を終えてきちんとドゥオーモ内に戻ると「よい年になる」といわれ、また花火ショーの最後に山車の天辺につけられた小旗3本(それぞれ「教会」「フィレンツェ市」「イタリア」の象徴)が開けば、それぞれよい一年を過ごせると言い伝えられています。
今年はコロンビーナは無事に役目を果たしましたが、旗は教会のものだけしか開きませんでした。まずまずの年になるということで。
復活祭を過ぎるといよいよ本格的に春のイタリアです。
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投稿: オランダ在住ミツフィ -2007年4月11日 (水) 18時23分
■きゃー
牛君たちのお花の帽子!かわいいですね!! -
投稿: his-rome -2007年4月12日 (木) 15時56分
■>オランダ在住ミツフィ
春らしくてなかなかしゃれていると思いませんか?フィレンツェの伝統的行事にはよく登場するキアーナ牛です。 -
投稿: 桜花 -2007年4月21日 (土) 17時03分
■無題
建物の写真を見て驚きましたよ~。最初は本当に火事かと思っちゃいました…(笑そう思っちゃうくらいに豪華だと思います^^牛さんもすごく可愛い!帽子がついているからますます可愛いです。牛さんもちょっとしたおめかし、という感じでしょうか。 -
投稿: his-rome -2007年5月 3日 (木) 08時09分
■>桜花さん
日本人ならきっともっと気の利いた仕掛け花火もできるのですが、イタリアならではの大雑把な仕掛けで結構楽しめます。この白いキアーナ牛はお茶目なので、私も大好きです。