モノクローム・フィレンツェ2高井晶子
フィレンツェは、中世ルネサンス時代がそのままに残る街だ。
ほとんどの道は、自動車の通行というより馬車の通行にあわせて造られた道幅そのままのようで、あまり広いとは言えない。
copyright2007-2008 AKIKO TAKAI
モノクローム・フィレンツェ3高井晶子
裏通りに入ると、道幅はさらに狭くなり、重量感のある切り石積みの建物が、道に覆い被さってくるような感じさえする。

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モノクローム・フィレンツェ1高井晶子
4-6階建てという高さは陽射しを遮り、晴れた日中であっても、太陽の方向によってはまったく日が当たらない。

冬などは、底冷えのする裏通りを私が好んで歩くのは、光が作りだす明暗が美しいからだ。

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モノクローム・フィレンツェ5高井晶子
仰け反るくらいに見上げると、暗くどこか湿った歩道とは違って、燦々と日が照りつける上層階や屋根。暗く細い道から四つ角に出て来ると、交差する道に溢れている光。そうした、明暗のコントラストがとても美しいのだ。光と影が、道や建物に広がり作りだす幾何学模様。雨上がり、逆光に照らされ輝く石畳。太陽の動きは思った以上に速く、歩いている間に刻々と変わる影の長さ。

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モノクローム・フィレンツェ4高井晶子
石と光と影で構成された風景は、自分の目で見ていてもモノクロ写真のよう。「花の都」と呼ばれる華やかなフィレンツェもよいが、色彩のないフィレンツェも中世そのままの雰囲気で、ついシャッターを切ってしまうのだ。
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記事&写真提供: 写真家 高井晶子

高井晶子(写真家)
7年間のOL生活を経て、2000年7月渡英。
Kent Institute Of Art and Design
(現University College of the Creative Arts)にて
写真を学び、卒業後日本に帰国。
現在は写真家として活動し、写真教室講師としても勤務。

グループ展・個展
2005年 Art Photo Site Galleryにてグループ展『Cityscapes』に参加
2006年 NADAR/SHIBUYA355にて個展『tokyo nostalgia』

在英中には、友人と写真集『this living thing』を自主出版。

◆写真家「高井晶子」個展のお知らせ◆
こちらのブログで紹介させてもらっている写真も展示予定。

『silent walker』
場所:NADAR/SHIBUYA355
日時:2008年4月28日(月)~5月17日(土)
開館時間:10:00-19:00   *最終日は16:00まで
休廊日: 日祝
詳細インフォメーション


**本記事内のすべての写真は写真家・高井晶子の知的財産であり、無断に複写・転載を固く禁じます。

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    • 投稿: zuzu -2010年12月28日 (火) 12時53分

      ■無題
      失礼ながら、今頃になって開けてみました。いいなあ、味がある。フィレンツェそのものが表れているんです。さすがだなあ。。。2011年はぜひSPACEKで個展をしてください。

    • 投稿: 高井晶子 -2010年12月28日 (火) 15時48分

      ■Re:無題
      >zuzuさまコメント、ありがとうございます♪どうも私、お日様の光できれいな色を撮るというのが苦手で、モノクロとか夜景とか、そんなのが性にあってるようなのです。そして、欧州の街はモノクロで撮ると味がでます。個展できるように、写真撮ります!

    

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