特派員記事 2008.06.29
洞窟教会に続いて、モンテ・サンタンジェロの<町の散策

教会の誕生によって生まれた町であるために、礼拝に訪れる信者は多いものの、旅行者が訪れる町というイメージが薄かったこの町ですが、最初のアルカンジェロ・ミケーレの出現によって生まれたとされる、住居地区・ユンノ地区(il Rione Junno)の独特な町並や景観が広く知られるようになり、今では観光地として訪れる人も少なくありません。

この町を観光地として楽しむには、やはり旧市街のユンノ地区の散策に限ります。この地区へ行くには、まず、町のシンボル「サンミケーレ・アルカンジェロ教会」を目指します。


モンテ・サンタンジェロ散策2 町の大駐車場から、9世紀前半に建てられたお城(Il castello)に沿って坂道を下って道なりに歩いていきますが、駐車場周辺から露店や土産物店が続いているので、土産物を物色しながら歩けば、これもまた楽しい散策です。



この町の特産なのか、直径60センチはあろうかと思われる大きな円形のパンが、店先に飾ってあるのが時々目に付きます。
モンテ・サンタンジェロ散策3

観光客向けの土産物店に混じって、プーリア州特産のひょうたん型チーズ・カーチョ・カヴァッロを吊るした、いかにも地元の人の御用達らしき食料品店が奮闘しています。




露店ではロザリオ(数珠みたいなもの)や、プーリア州に人に愛されてやまないピオ神父のグッズなど、宗教関連の小物を売っている店が多いですが、土産物店に入ると、食品から小物までバラエティーに富んだ商品が並び、見る目を楽しませてくれます。

坂道を下りきった所に、一際目立つ八角柱の鐘楼と教会があります。これがサンミケーレ・アルカンジェロ教会です。教会からちょっと先に行った右側に「centro storico」を示す小さな案内板がありますが、まずは気にせず歩いて下さい。同じく右側に「Pro Loco」(プロ・ローコ)と書いた小さなオフィスがあります。memoプロ・ローコは町の商工会が運営する観光オフィスで、たいがいどの町にもあり(もちろんアルベロベッロにもありますよ)、町の観光情報が手に入ります。
まずは立ち寄って、町の地図(有料:1ユーロ)を手に入れたり、町の見所を教えてもらえば、効率よい散策が出来ます。scissors


モンテ・サンタンジェロ散策4 先ほど通り過ぎた「centro storico」の案内板の所まで戻り、指し示す方へ階段を下りていけば、5世紀終わりに建築されたという旧市街地「ユンノ地区」に入って行くことが出来ます。

この地区の家屋は、石灰で塗り固めた白壁に統一され、5-10軒が連なり、狭い道を挟んで整然と建ち並んでいます。
各々の家は、中央の玄関と窓が一つあるだけのシンプルな作りで、山の傾斜を利用して建てられた住宅群は、後列が前列より高い位置にあるため、日照を妨げれらることがなく、どの家屋にも太陽の日差しが入り込むように工夫されています。

列を移動するために欠かせない階段は、町並にさりげなく溶け込み、「街角のひとコマ」に欠かせないアイテムにもなっています。
旧市街の高い位置から見下ろす町は、瓦屋根で覆われていて、トスカーナ地方の田舎町を思わせます。


モンテ・サンタンジェロ散策1
旧市街の散策中に、チーズの倉庫を見つけました。ペコリーノと呼ばれる羊の乳から作られたチーズを熟成させているのだと、入口に腰掛けたおじさんが教えてくれました。
小さな部屋中、独特なチーズの香りで充満し、大小様々な大きさのチーズが、所狭しと並んでいました。


cloverこの町の人はみな親切で、私も2度道を尋ねましたが、どの人も丁寧に説明してくれたうえ、「ついでだから」と一緒に近くまで来てくれました。

ただ、モンテ・サンタンジェロへの道のりは、公共交通手段の利用を必須とする旅行者にとっては、安易ではありません。
最寄の鉄道駅フォッジャから、バスまたはタクシーの利用となるので、時刻や所要時間をよく確認して無理のない計画を立てることをお勧めします。happy01

記事&写真提供:特派員野口さん

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