海外旅行で頭を悩ます事、その一つにお土産選びがあると思います。
近所の人に「海外旅行に行くんです」なんて触れ回ってしまったはいいけれど、言った以上は手ぶらで帰る訳にも行きません。何かしらお土産でもと思っても、何を買ったら良いか分らない…そんな人の為に今回は、私が勧めるアルベロベッロの土産物をご紹介しましょう。
まずは、耳たぶ型のパスタ「オレキエッテ」。これは、この地方で生まれた特産のパスタです。
以前作り方をご紹介しましたが、オレキエッテなどのショートパスタはその昔、家庭で作られた物なのです。機械が無くては難しいスパゲッティなどのロングパスタに比べ、手軽に作れる事から、ショートパスタが定着したようです。オレキエッテだけでなく、カヴァテッルーチ、フリチェッリ、ストラシナーテなどショートパスタはバラエティに富んでいます。因みに、ストラシナーテは最も古くから作られているパスタで、オレキエッテの原形でもあります。
新参者ではありますが、アルベロベッロならではのトゥルッリ型パスタもあります。パスタには赤色をした唐辛子味、緑色のほうれん草味もあり、カラフルな3色入りは見た目も可愛いです。
因みに生パスタは、あまりオススメしません。
保冷剤などで、冷蔵庫並の温度を保って持っていける場合は別ですが、真空パックでも、気温が高い状態で長時間持ち歩くのは、避けた方が無難です。
◆平均価格:500グラム入/2ユーロ前後
次にご紹介したいのは、タラッリ。ちょっと変な名前ですが、小型のドーナツ型をしたプーリア地方のお菓子です。プレーン味は、赤ワインとの相性抜群で、唐辛子(ペペロンチーノ)味は、ワインだけで無く、ビールにも良く合います。
その他、フェンネル、玉葱、ピザ味などが古くからある物ですが、それに加え、最近ではカカオ、コーヒー、ココナッツ、アーモンド、ゴルゴンゾーラ、ペコリーノ(羊のチーズ)など変り種もあります。
お土産に買ったつもりが、旅の途中で食べちゃったなんて事も有り得ますね。
◆平均価格:200グラム/2ユーロ前後
続いては、「消え物」でない物を一つ、綿製品をご紹介します。大きさ約45×60センチの綿のタオルは吸水性が良く軽いので、数を多く買いたい時に便利なお土産です。
ただ、綿製品がこの地方の特産かと言うと、残念ながらそういう訳ではありません。
昔は、どの地方でも機織が盛んで、丁寧に手織りされたものは長持ちしたものですが、今は手織りをする人も少なくなり、「巧みの技」に出会う事はまずありません。
土産物として売っているのは機械織りで、アルベロベッロに因んでトゥルッリの刺繍をした、まさに土産物用に作られた製品です。時々「手織り」と書いた、やけに値段の張るものもありますが、本当に手織りかどうかは疑問です。幅が1メートル以上あるのに、生地の継ぎ目がない場合は機械織りの可能性が高いです。手織りの場合は機織機以上の幅のものは、生地を継ぐ必要があるので継ぎ目が出来るのです。
◆平均価格:1枚/2-2,50ユーロ前後
日本人旅行者にはちょっと酷ですが、ご紹介しなくてはならないのがワインとオリーブオイルです。
最近のテロ対策で、機内持ち込み制限が厳しくなった液体物。割れ物なのに手荷物に出来ないからと諦める人も多いと思います。
でも、プーリアのワインとオリーブオイルはやはりお土産にして欲しいものです。
この地方のワインで、最も有名なのがプリミティーヴォ、甘いブドウから作られるのでアルコール度が高く、少々強めではありますが、美味しさは折紙付です。プリミティーヴォに限らず、南の太陽をたっぷり浴びて育ったブドウから作られるワインは、どれも口当たりが良く、飲み易いのが特徴です。
同じく、太陽の恵みで育ったオリーブから取れるオリーブオイルもプーリア土産に欠かせない一品です。生産量も品質も国内1,2位を争い、価格の安さでは一歩リードです。
北イタリアからの旅行者は、5リットル缶をまとめ買いして行きます。
250ml入りの瓶さえ「どうしようか」と迷いながら買わなければならない日本人には羨ましい限りですね。
そういう私は、以前5リットル缶を一缶、スーツケースに入れて帰った事がありました。運ぶのは大変でしたが、日本では重宝しました。
さて、少しは参考になりましたか?
最近は、ディスカウントスーパーで買物をしている日本人も見かけますが、原産地は要チェックです。
安いと思って買ったは良いけど、イタリアの製品じゃなかったなんて事もあります。
賢いお土産選びをして下さい。
記事&写真提供:特派員野口さん